マジック・マイクのレビュー・感想・評価
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自分の生き方について
評価があまり良くないけれど、普通に良い作品だった。
ストリップダンサーの主役マイク。
ストリップだけでも十分稼いでいるけれど、瓦葺屋根の修繕、洗車などいろいろ“真っ当な”仕事もして、自分のデザインした家具を売るのが将来の夢。
瓦葺屋根の工事現場で出会ったのがまだ19歳のアダム。
アメフトの優待生として進学したが、コーチと喧嘩して引退、やさぐれていた。
でも生真面目なお姉さんとふたり暮らし、まだピュアな彼はやさぐれてはいたけれど曲がった事ができず、マイクのストリップダンスにもドキドキしてしまう。
でも一度やり、1日で大金を稼ぎどんどん泥沼に。
ドラッグ売人の売り子にも手を貸すまでに。
どんなにハッチャケていても、地に足のついた普通の仕事もし、ドラッグには一切手を出さないマイクと対照的にアダムはどんどん戻れない方に…そして自信過剰に…
アダムは売るつもりだった大量のドラッグを置いてきてしまい、それを代償することになるが、それを肩代わりしたマイク。
その後から、マイクは遠い目でアダムを見るように。
自分の今の在り方、将来、生き方について考えていたように思える。
トップスターだと思っていたが、それは単なる奢りでボスは若いアダムを贔屓目に見ていることも相まって、ストリップを辞めることに。
女の人なら誰でも手玉に取れていたマイクだけれど、本当に愛する人、大切にすべき人に気づいたマイク(相手はアダムの姉)。
ふたりはとうとう結ばれてハッピーエンド。
アダム含むストリップダンサー達の最後は語られていない。続編で…ということかな。
人生お金じゃないんだよな、それ以外の大切なもの、大切にする気持ちについて考えさせてくれる作品だったと思う。
よかった
男のストリップの映画をおじさんが見に行くのも変な感じだと思ってスルーしていたのだが、青春の輝きと挫折を描いた素晴らしい映画だった。
マイクが銀行で自慢げに札束を提示するのだが、そのお札がとてもしわしわで、それが後でチップのお札を一枚一枚丁寧にしわを伸ばしていたものだという事が分かって、切なかった。
享楽的な生活に対する憧れが刺激されたが、実際自分には向いていないので、結局憧れるだけでどうにもならず、虚しい気分になった。
マシュー・マコノヒーがカリスマ性がありながらも信用できない感じが、とてもリアルなたたずまいだった。
MDMAで4Pみたいになる場面がよかった。あんな感じのラリっている場面がもっと見たかった。
アダムがマイクに謝る場面で、マイクの手作り家具をクソミソにけなすのが、シャレのつもりなんだけど、実際大したものには見えずシャレになってるのかどうか微妙な感じを突いていてとても面白かった。親しみを込めているのだろうが、あんなふうに謝られても腹が立つ。とても面白い場面だった。
アダムのお姉さんのコディ・ホーンが顔もシルエットもすごくよかった。
日本版ならホストクラブのもっと陰惨な話になりそうだった。男性ストリップはまだ女性に対する経済的な負担が大したことなさそうで健全だと思った。
チャニングテイタム(^ ^)
チャニングテイタムはやっぱりかっこいいですな(^ ^)ストリッパーの世界ってすごいですね。腰をフリフリ、エアーセックス。そんな世界に溺れたアダムと、抜け出したマイク。この後の人生が気になるところです。
真っ当過ぎる青春ドラマ
特殊業界を舞台にした作品といえば、どうしても『ブギーナイツ』を思い出してしまうので、あちらと比べてしまうとちょっと残念な出来。
演じるC・テイタム自身がモデルになっているマイクは最初からストリッパーはお金を得るための手段と割り切っている人物で、最後はこの業界を離れるであろうことは、予定調和である。
確かに彼は傷つき代償も払うが、それでも彼は『ブギーナイツ』の主人公のように堕ちるところまで堕ちてボロボロになってしまった訳ではない。
彼はきっと直ぐに立ち直れる。
むしろ、“女と酒と快楽”に逆らえずに、最高の人生を与えてくれたとマイクに感謝するアダムの今後の方が心配だ。
誰もがダラスのように経営者になれる訳ではないし、アダムにその才覚があるようには見えないし、彼が愚かな若者にしか見えないのは、演じるA・ペティファーにも気の毒だが、
彼が19歳には見えないのも痛い。
C・テイタムは出世作がダンス・ムービーなだけに、脱ぐ脱がないは別にして、ダンスの上手さは別格で、彼のパフォーマンスシーンは最大の見所だろう。
『リンカーン弁護士』以降のM・マコノヒーの充実ぶりは本当に素晴らしく、今作も正しく怪演。
しかし、彼が目立つので、その分TVで活躍してきたM・ボマーやA・ロドリゲスの影が薄くなってしまったのは残念だった。
見守る実験。
ソダーバーグ引退、なんていう記事が出てから地元のシネコンは
すっかりソダちゃん祭りと化している。
ソダーバーグは好きだから公開してくれるのは有り難いけれど、
こんなに早く引退…?なんかまた作りそうな気がするけどなー。
公開時にすっごく観たかった作品なので、すっ飛んで観に行った。
チで始まってムで終わる名前の(スイマセン、しつこくて)
C・テイタムにはやっぱりダンスの巧いお兄ちゃん(ゴメンね)しか
イメージが膨らまず、個人的にセックスアピールを感じる男優は、
残念ながら今作には一人も存在しなかった(これも計算ずく?)
そんな中、怪演してたのが、やっぱりこの人、M・マコノヒー。
見たい見たくないは別として(ホント申し訳ないけど見たくない)
アンタの気持ち悪い踊りは天下一品♪酸いも甘いも噛み分けた
人生の破綻者みたいな(いやビジネスでは大成功なんだけど)感が
身体全体から溢れる溢れる!もうどうにでもなってくれ感がピーク。
ついこないだ弁護士役やってたのにね。俳優ってこうでないとな。
常に実験映像的な作品を多く作るソダちゃんは、
今回もまったく甘い青春映画などには(内面的に)仕上げていなくて、
表面的にストリッパーの生活をなぞり、観客に美味さと気味悪さを
堪能させたのち、主人公にはスパーっとその世界から断絶させる。
は?どうすんの、これから?いや~それは自分で考えて下さいよ^^;
っていう、またこういう作りかよー!ってやつなんだけど、
だよね。人生ってのはこんな風に咲いて枯れていくものなんだから、
まぁ自分で考えてみるべきだわね。なんて説教垂れられてる気分に。
しかも冒頭から云々語ってはケンカしていたあの会話にて締め括る。
明日のパンにも困るくせして、まったくほのぼのとした会話!
やってくれるわね~今回も。と、すっかりやられてしまいました。
さて、男性ストリッパーの世界なんですが…(もちろん知りません)
今作の主人公を演じたテイタム君は実際に10代の頃やってたらしい。
そりゃ生活のため…?だとは思うけど、よくぞその世界を抜けて^^;
ダンス界~俳優世界へようこそ♪と華を拓きましたねー。
あまり好きな顔ではないんだけど、最近では演技力も格段に上がり、
ダンスの巧いお兄ちゃんだけではなくなってきている!
良かったね~。これでモテモテだね~と思ったら、そうか、あの時
「ステップ・アップ」で共演したジェナと結婚してたんだっけね。早っ!
ダンスが実を結んだ結婚生活、元がストリッパーに端を発した演技
だとしても、旦那が売れっ子になるのは嬉しいことじゃーないですか。
頑張れー。いつか転ぶかもしれないけれど、そしたら朝食を食べてさ。
若手有望株(ストリッパー業の)役だったA・ペティファー。
色男というよりはまだまだ初々しい感じで、日本人好みの甘いマスク。
やはり嫌らしさはまったく感じられず、若気の至りを絶妙に好演。
えぇっ、今作で共演したプレスリーの孫娘R・キーオと婚約ですか!?
何かすごいなぁ^^;皆さん非凡な経歴と世界観をお持ちの方ばかりです。
ひとつだけ、すごく印象に残った台詞が。
主人公マイクがアダムの姉ブルックに言う一言。
「まだ19歳だ。酒と女とギャンブルが楽しくて仕方ない年頃だろ?」
いやー。沁みるわその一言。こういうのが巧いんだ、ソダちゃんは。
遊べる時に遊んでおけ。でもハメを外しすぎて、人生台無しにしない
ように、しっかり見守る大人がいなきゃダメだったりするんだわね。
ブルックという姉さんは、そのあたりの分別と理解にあふれた人物で、
弟がストリップダンサーなんかになっちゃって、普通は気が狂うのを
よく見守ったよなぁ~と、そこをマイクもちゃんと見てたってことだわ。
見た目と職業で判断するな。なんていうけど、普通、判断されます(爆)
だけど、その子の本質を分かってあげられるのは限られた人間だけ。
こういう演出がね、すごく巧いと思うのだ。
(どの世界でも自分を必要としてくれるところへ人間はなびいていく)
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