イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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退屈な話をよくここまで仕上げたものだと感心する映画
非常に退屈な話に違いないのだけれど、見れてしまうのは映像の力があるからでしょう。一見不要なカットがずいぶんと散りばめられているのだが、その細部には一環したこだわりが感じられ迫力がある。人が降りることで車の車体が浮くカット、猫が立ちふさがるシーン、扇風機や建物にフォーカスしていくカット、頭上から見下ろしながら寄るカット、などたくさんあるが丹念によく撮られていることが伝わってくる。
音楽のセレクトも場面場面で意外性がありとても効果的である。
ただ、退屈は退屈だ。
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すごい迫力
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イタリア政界に相当踏み込んでいるらしく、大統領がマフィアとの癒着を裁判にかけられるというようなとんでもない内容だった。経済界や政治家がどんどん自殺したり暗殺される物騒な場面がとても生々しくかつ、面白かった。
しかし、登場人物がまるで把握できず、最後までチンプンカンプンだった。日本で言えば田中角栄裁判を実名で映画化したようなものではないだろうか。
画面から伝わる覚悟や映像に対する美意識がとんでもなく、かっこいいカットだらけで内容があまり理解できなくとも構成の面白さや、異様な迫力で見ごたえたっぷりで面白かった。
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