劇場公開日 2013年11月9日

「歴史は現場でなく会議で決まる 踊る四天王」清須会議 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5歴史は現場でなく会議で決まる 踊る四天王

2013年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

いやはや、これが三谷ワールドと言われればそれまでだが、役者が揃いすぎて正月の顔見世興行みたいだ。そのため話の流れはいたって単純で、史実を深く掘り下げたり独特な解釈を加えるようなことはしていない。
秀吉が市の夫であった浅井長政を討ち取ったことで、市から嫌われているということさえ知っていれば話が理解できる。あとはお祭り騒ぎだと思って楽しむしかない。
そう思って観たら、「ステキな金縛り」に登場した落ち武者の亡霊・更科六兵衛が生きた姿で登場するシーンがいちばん笑えた。

世の中、武功を挙げるだけでは上に立てない時代に入ったことにまるで無頓着でガサツな柴田勝家の悲喜こもごもを演じた役所広司が巧い。三谷作品の中で、役所広司の持ち味が一番よく出ている。
策士・丹羽長秀の小日向文世、外交上手・羽柴秀吉の大泉洋、日和見・池田恒興の佐藤浩市を加えた新織田四天王の駆け引きは文句なしに面白い。
この4人の演技がなかったら、役者の無駄遣いになるところだった。
ラストは「ステキな金縛り」のようにだらだらと引っ張ることもなく、秀吉の将来に含みを持たせて綺麗な着地を決める。
こうしてみると、お祭り映画も騒ぎの技を積み上げているようだ。

マスター@だんだん