劇場公開日 2013年11月9日

「清須会議の本当の勝者は、ねね!」清須会議 星織音さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0清須会議の本当の勝者は、ねね!

2013年11月18日
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楽しい

テーマは、織田信長が本能寺の変で死んだ後の後継者を決める会議だから、どうしても最初に本能寺の変の場面を短時間入れなければならない。

それに本来は、清須会議より断然見どころとなる場面だ。

だから普通の映画では、織田信長や明智光秀は重要な役なのだが、この映画では、チョイ役のため、役者があまり良くなくて、いきなりガッカリさせられた。

三谷幸喜さんも、その事には、少し気付いているようで、映画が始まってしばらくした後、清須城に場面が移ってから初めて映画のタイトル『清須会議』が画面に現れる。

映画そのものの内容は、普通の出来で、前回観た西田敏行さんが落武者の幽霊を演じた『ステキな金縛り』より遥かに劣る。

一番良かったのは、織田信長の弟役の織田信包を演じる伊勢谷友介さんだった。

「織田家は、兄、織田信長が本能寺の変で死んだ時に実質的に滅んだ。そして、お前、羽柴秀吉が天下を取るのに一番邪魔な存在となるのは、他でもない、我々、織田家の人間だ」というシーンが、歴史上あまり目立たぬ存在であった織田信包という人物を目立たせていた。

織田信長と共に本能寺で死んだ長男、信忠の妻役の剛力彩芽さんも、自分の子を見ながら、「天下を取るのは、武田信玄の血を受け継ぐ、この三法師(信長の孫)」と言うシーンがあったが、あまり迫力は無かった。

とにかく、戦国時代は人間関係がドロドロとしている。

この映画の清須会議の本当の勝者は、秀吉の妻ねねだったように思う。

そして、この後、秀吉が柴田勝家にしたように、豊臣家は徳川家康に滅ぼされる。

追記

映画を観たら、欲しくも無いのに、『かぐや姫の物語』のプロローグのDVDをもらった。

星織音