「派手さはないけど、これはこれでありな終末映画でした」エンド・オブ・ザ・ワールド スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
派手さはないけど、これはこれでありな終末映画でした
終末物にしてはかなりゆるい展開でしたが、これはこれで意外と面白かったです。
特に目新しい要素があった訳でもないのに、他の終末系SF映画とはまた全然違った魅力溢れる内容で、ドカンと来ると言うよりはジワジワ来るタイプの映画でしたね。
大作物SFのようなド派手な描写はほぼ無い低予算映画でしたから、その辺で好みは別れそうですが(私も本来はド派手な終末系映画の方が好きなんですが)、ちょっとコメディタッチな終末ラブストーリー映画も時には悪くないもので。
既に地球滅亡が確定した世界と言うのもちょっと面白い設定でしたね。
普通はそれを回避する為にいろいろと策を講じ、結果地球滅亡を救うヒーロー的な存在が誕生したりするものですが、もう既に万策尽き果て、あとは3週間後の滅亡を待つだけと言う、全てに置いて諦めた世界と言うのが逆にいろいろと考えさせられることも多くて、思いのほか見入ってしまいました。
パニックに陥っているのは一部だけ、案外まったりした感じだったのは、思いのほかリアルなのかもしれませんね。
生き残れる可能性があるならばアタフタパニックになるのかもしれませんが、滅亡確定では、案外こんな感じになるのかも・・・。
そんな中で、こんなことがなければ出会わなかった、いや、出会っていても気付かなかった隣人2人のロードムービー&ラブストーリーは、終末と言う切な過ぎる展開も相まってグッと来るものがありましたが、スティーブ・カレル主演だけに、湿っぽい感じではなくコメディタッチだったのが、ありそうでその実あまりないタイプだった気もして、思いのほか面白かったです。
スティーブ・カレルは意外とイケメンな役どころもいけるんですねぇ、最初は違和感あったけど(笑)
一方のキーラ・ナイトレイはかなりの不思議ちゃん、おバカキャラなキーラはこれまたカレルのイケメンキャラ同様あまり今まで無かった印象なのですが、こちらも意外といけますねぇ。
お互いの最後の望みを叶えようと奔走する旅の末に辿り着いた結論には、思わず納得、ラストシーンはいいラストシーンだったと思いました。
マーティン・シーン演じる父親とのシーンもグッと来る、カレル家の掃除のオバちゃんもかなりいい味出してましたね。
さりげない存在感の捨て犬ソーリーも可愛かったなぁ。