「色模様」つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語 メイばばさんの映画レビュー(感想・評価)
色模様
邦画は久しぶりに観ましたが、良かった。松生役の阿部寛さんはじめ女優人もいいですね。小泉今日子さん演じる石田の妻が夫の愛人と格闘するシーン
あまりに凄くて少し笑ってしまう。
テレビではなかなか観られないので、「へえーこんな役も出来るんだ」と見直しました。浮気の止まない夫とでも平然と暮らしている?きっと夫が歳を取り介護が必要になったら仕返しするのでしょうね。大竹しのぶさんは松生の妻役夫をつやにとられ、その後2人が大島に住んでいると分かっても訪ねて行かない。それでも夫とつやの写真を時々眺めていると娘が言う。
艶ががんに侵され、こん睡状態に陥った時始めて夫に会いに行く。病院でひとり艶の胸をみつめ触るシーンここ好きですねー何を感じたのかしら。それから吹っ切れたように夫に会わずに帰っていく強い女性です。上手いですしのぶさん。愛に迷いながら貪欲に控えめに模索している女達、多分大人の女が共感できる人物がこの映画の中にいるのではと思えます。
最初の場面は松生がポンコツの自転車で病院に向かう山道を走るシーンギシギシの音に必死さと可笑しさ同居しているのです。この映画何か滑稽で、バックに流れる音楽も私には明るいシャンソンの様な響きでした。
体重を落としたという阿部さんはお世辞にも魅力ある男とも思えない
うらぶれた中年男。背が大きくて存在感あるはずの男が田舎の風景に染まっていて影が薄い。抑えた演技やはりスゴイね、主役で在りながら女性陣を輝かせている。松生はつやと添い遂げて何を得たのか、最後のセリフで「お前の愛した男たちはだれも来ない」と言いながら満足げでは無かった。エンドに「ま、いいや」と歌うクレージケンバンドに納得!
私もよく「まあーいいか」言うのですが、これは高齢による物忘れの時です。わすれないうち井上荒野さんの本読んでみます。