「まばたきするのが勿体ないくらい」レ・ミゼラブル(2012) だっくすさんの映画レビュー(感想・評価)
まばたきするのが勿体ないくらい
既にミュージカルとして名高い作品の映像化というのは、普通に作品を撮るのよりも遥かに難しいと思っています。
舞台にも通じることですが、私がミュージカルを鑑賞していて圧倒されるのは役者さんの息づかいなんです。
一瞬一瞬が二度と繰り返されない表情、声色、所作などなど……
そんな"生々しい"刹那の連続が、私をその作品の世界に引き込んで行ってくれるんだと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、この作品についてまず感じたのが
映像作品なのに舞台と同じ、あるいはそれ以上の"生々しさ"がまばたきをする暇も与えないごとく押し寄せてくる!!!
という驚きでした。
まるでひとつのドキュメンタリーを見てるというか、
役者さんたちが演技してるように見えないんです。
性別問わず、全ての登場人物に共感を持てる刹那がありました。
そんな繊細な演技と、大迫力の音楽。
対照的な2つが、158分間絶えることなく絡み合って
興奮して
息をのんで
悲しくなって
苦しくなって
涙がこぼれてしまったと思ったら、いつの間にか軽快な音楽に酔っている自分がいたり。
上映が終わってから暫く、ぼーっとしてました。
それから思い出したように息をして、まばたきして、
全てが一瞬の夢だったような高揚感に包まれました。
今日観てレビューを書かせてもらっていますが、
まだ微かに体のどこかに熱いものがあるみたいで
目が冴えてしまって眠れそうにありません……(^_^;
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