「この作品はミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画化」レ・ミゼラブル(2012) hiraharuさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品はミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画化
映画らしく撮っても、や歌いすぎ!と思う気持ちは分かりますが、ユーゴー作の「レ・ミゼラブル」ではなく、マッキントッシュのミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画化なので、映画のほとんどを歌が占めるのは、ドラえもん映画にひみつ道具を出すようなもので…
出さなくても可能っちゃ可能だけど、魅力が大幅に下がっちゃいますよね。
ミュージカルの場合、舞台と観客なので、一期一会のパフォーマンスであったり、舞台に響かせる声量ある歌がメインになりますが、
映画の場合は、高解像度のカメラが逃さない役者の一挙一動や、舞台だと聴こえないようなくらい小さくても、ちゃんと演技して歌えるので、そういった役者さんたちの演技と、長年愛された歌がどうアレンジされているかというところがこの映画の見所だと思います。
自分も前知識なしで見に行きましたが、音楽に普段から慣れているので特に違和感なく感動し、そこから舞台、ミュージカル音源など聴きこみました。
ひと通りさらってから思うのは、やはり映画は映画の良さがあり、映画レ・ミゼラブルが傑作なのは間違いないです。原作やミュージカルの舞台が既にあったとしても、この映画単品で讃えられるだけの良さがこの映画にはあります。
(歌に抵抗のない)初見の人も、また長年ミュージカルを愛した人も納得して素晴らしいと思える映画を撮ることが、いかに難しいか。今までで一番配役が難しかったと監督がおっしゃるのもその通りで、ミュージカルにも充分活躍できるハリウッド俳優だけでなく、今まで歌をメインではったことのない俳優や、逆にスクリーンに出たことのないミュージカル俳優を積極的に登用する賭けをして、見事成功させたその手腕は本当に素晴らしい。
間違いなくミュージカルの映画化史上に残る名作です。原作とミュージカルが有名だからこそ半端ないプレッシャーがあった中で、何の不満も出ないほど見事に演じきったキャストの努力、そしてアン・ハサウェイの夢破れてやサマンサ・バークスのオンマイオウンなど、シーンだけで抜き取って絶賛されるような名演技を披露してくれたことに感謝して、ぜひ2013年のアカデミー賞で取り上げられて欲しいと思います。
まだ見に行ってないかたはぜひ一度映画館で!!行くときは、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のあらすじを読んでいくと余裕を持ってみれます。