「俳優さん達の力量に感服。」レ・ミゼラブル(2012) りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優さん達の力量に感服。
日本語では、「ああ、無情」と訳された「レ・ミゼラブル」。
ユゴーの名作だ。
小学生くらいの時に読んだはずなんだけど、ラストの展開はすっかり忘れていた。
この作品はミュージカルである。
と言う訳で、セリフは音楽である。
ほとんど、歌っていた。
最初、「やっぱり歌うのね~」なんて思っていたけれど、そのうちに慣れて、違和感がなくなった。
それも、俳優さん達の歌声が素晴らしいからだろう。
演じながら歌われたとのこと。
感情が目いっぱい込められている。
哀しみ、喜び、憐れみ、叫び、苦しみ、絶望、あるいは力強さ・・・
俳優さん達は、心のしじまを大きく歌い上げ、また、細やかな感情の歌声は、見る者の心を揺さぶった。
ヒュー・ジャックマンは、2004年に「ボーイ・フロム・オズ」でトニー賞ミュージカル主演男優賞を獲っていたのですね。
アン・ハサウェイは、ブロードウェイの舞台に立ったこともあるとか。
アマンダ・セイフライドは、「マンマ・ミーア」で、歌声は保障付き。
ラッセル・クロウも若かりし頃、バンドを組んでいたとか。
皆さん、演技上手で、見栄えも良くて、歌声も素晴らしいだなんて、三拍子揃った人っているものなんだな~~。
ジャン・バルジャン VS ジャベール。
貧民 VS 富裕層。
学生 VS 軍隊。
ジャン・バルジャン VS マリユス。
コゼットとマリユスの恋の行方。
などなど、見どころがぎっしり詰め込まれているので、どうなるの??どうなるの??とハラハラし、見る者を飽きさせない。
ジャン・バルジャンの悩み・苦悩・絶望・愛・善。
ジャベールの苦しみ・正義・悪・絶望。
ファンティーヌの愛・哀しみ・救い。
コゼットの苦しみ・喜び・愛。
エポニーヌの愛・愛・希望・辛さ。
どれも、深く深く、気高い。
ミリエル司教が教えてくれたこと、≪正しい人であろう≫とすること。
二本の燭台は、人の温かさをずーっと見ていたのだ。
アン・ハサウェイ演じるファンティーヌの「夢やぶれて」が、今でも頭の中でこだましている。
クライマックスの「民衆の歌」も素晴らしかった。