劇場公開日 2012年12月21日

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「芯から揺さぶられる」レ・ミゼラブル(2012) Mami.Fujisawaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5芯から揺さぶられる

2012年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

台詞を歌にのせることで、こんなにも感情移入しやすいのか。いや、やはり歌い手である俳優たちの物凄い演技あってこそ。
特にアンの独唱「夢やぶれて」は息もできないほど圧倒され、気付いたら歯を食いしばって涙を流していた。ヒューの最期のおだやかで弱々しい歌は、後で思い出しても号泣できる。

ミュージカル映画を観た経験は少ないが、ストーリーを追うための説明場面に時間を使わず、いい意味で舞台的に場面転換できるので、ここぞという見せ場に重点的に尺が使えてメリハリのある映画になっていた。そして、ここぞという見せ場は、非常に多い。

また画面の構成やアングルが写真的でとても印象深い。これもミュージカル映画の特徴か、引きを多用した視覚的説明が重要ではないので、人物のアップが非常に多い。目線、まばたき、口角、眉間などダイレクトに感情が出る細かい表情変化を感じ取れる。

最後の、次々と声が重なっていく場面は、心が痺れた。
ぜひ映画館で観るべき映画だ。

Mami.Fujisawa