「ミュージカルに耐性がない者にとっては、噫無情…」レ・ミゼラブル(2012) たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルに耐性がない者にとっては、噫無情…
1862年に発刊された同名小説を原作としたミュージカルの映画化。
罪人ジャン・バルジャンの波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。
監督は『英国王のスピーチ』の、オスカー監督トム・フーパー。
主人公バルジャンを演じるのは『X-MEN』シリーズや『リアル・スティール』のヒュー・ジャックマン。
長年に渡りバルジャンを追う警部ジャベールに『グラディエーター』『ビューティフル・マインド』のオスカー俳優ラッセル・クロウ。
バルジャンに娘を託す悲運の女性ファンティーヌに『プラダを着た悪魔』『アリス・イン・ワンダーランド』の名優アン・ハサウェイ。本作でオスカーを受賞。
ファンティーヌの娘コゼットには『マンマ・ミーア!』『タイム』のアマンダ・サイフリッド。
コゼットと恋に落ちる青年マリウスには『ブーリン家の姉妹』『マリリン 7日間の恋』の、後のオスカー俳優エディ・レッドメイン。
アマンダを虐げていた育ての親テナルディエ夫人には『英国王のスピーチ』以来、フーパー監督と2度目のタッグを組んだ名優ヘレナ・ボナム=カーター,CBE。
👑受賞歴👑
第85回 アカデミー賞:録音賞、メイク&ヘアスタイリング賞、助演女優賞(ハサウェイ)の三冠を達成‼️
第70回 ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門):作品賞、主演男優賞(ジャックマン)、助演女優賞(ハサウェイ)の三冠を達成‼️
第66回 英国アカデミー賞:音響賞!
第84回 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:アンサンブル・キャスト賞!
第37回 日本アカデミー賞:最優秀外国作品賞!
第55回 ブルーリボン賞:外国作品賞!
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以下は原作小説未読、舞台も未見。レ・ミゼラブルのあらすじすらろくに知らなかったレミゼ弱者のレビューになります。
まず、良かったのはキャストの演技。
ミュージカル映画ではキャストの力量が作品の出来に大きく影響してくると思いますが、実力派俳優が素晴らしい演技を披露しています。
特筆すべきは主演のヒュー・ジャックマンと助演のアン・ハサウェイ❗️
この2人の演技力&表現力は本当にずば抜けている!
この2人こそがこの映画の価値の8割くらいは占めているのでは?
特にファンティーヌの歌う「夢やぶれて」。
絶望的なファンティーヌの状況とアン・ハサウェイの卓越した演技力がガッチリ噛み合って、素晴らしいシーンに仕上がっています!
そして、舞台となる1980年代のフランスの街並み&衣装も良いです。
ミュージカルなのでリアリティというよりはファンタジックな雰囲気を重視しているのでしょうがこれがバッチリ👌
冒頭の囚人が船を引き揚げているシーン。あそこを観ただけで映画に引き込まれました。
あと、バルジャンとジャベール警部の場面は軒並み良かった。
お互いに信仰心が篤く、自らの行いが善だと信じ、信念を貫く男達。
ルパン三世と銭形警部の関係を思い出したのは自分だけではないはず。
仮釈放を破っただけで15年くらい追い続けているということに関しては疑問も残りますが、この2人の関係性は少年漫画のような熱さがあって大好き。
「信仰」と「奉仕」、「正義」と「信念」について考えさせられるテーマ性もこの2人の人物像に集約されている気がします。
キャストやディテールは文句なし!
では面白いのかというと、全然面白くはない!
根源的な所になるのですが、やはりミュージカル舞台をそのまま映画にするのは無理があるように思う。
同監督の作品「キャッツ」を観たときにも思ったのだが、トム・フーパー作品のミュージカルはほぼセリフなし。
全ての会話や独白を歌で表現するため、物語が前に進むのが遅い遅い。
「この後物語はどうなるの!?早く次が見たい!」と思っても、内面や状況の説明を歌ってしまうため物語の進行がストップしてしまう。
ミュージカルが効果的に作用しているところもあるが(アン・ハサウェイが身を落とす場面とか)、やはり退屈に感じてしまうところが多かった。
この映画は序幕と第一幕、第二幕の三つに分かれていますが、クライマックスとして盛り上がるはずの第二幕が一番だるかった。
というのも、この第二幕の中心人物であるコゼットとマリウスに感情移入出来ないからだと思う。
小説ではこの2人の出会いや関係性が掘り下げられているのかもしれないが、映画ではポッと出のキャラクターという感じがしてどうも乗り切れない。
出会って1日で恋に落ちる…のはまぁ寓話の世界ということで有りでいいけど、もっと革命についてや三角関係についてを掘り下げてくれないと盛り上がらない。
ヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイの演技でぐいぐい引き込まれた序幕と第一幕と比べると、派手なアクションも多くドラマチックになるべきはずの第二幕の方がエモくないというのは…
総評としては、アン・ハサウェイとヒュー・ジャックマンが凄い!という感じ。
ミュージカルに慣れていない人間には2時間半が恐ろしく長く感じると思います。
こんばんは。
いろいろレビュー 読ませて頂き
年代の違いでいろんな見方が出来るものだなあと とても興味深く思いました。
違う意見 同じ意見 本当に感想と言うのは個人の物でありつつも他人に読まれて深みが増すと言いましょうか、自分でも何言ってるかまとまりませんが、楽しく拝見させて頂きました事をお伝えしたくコメントさせて頂きました。