「殆ど歌い喋らない」レ・ミゼラブル(2012) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
殆ど歌い喋らない
総合80点 ( ストーリー:85点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:75点 )
演技も演出も映像もとても良く出来ていて質が高かった。殆どの科白は喋るのではなくて歌の形で語られる。音楽劇は好きではないのだが、普通に喋っているのに急に変に踊ったり歌いだすのではなく、最初から常に歌い続けるという演出のためにこのやり方は受け入れられた。
それでもこれが音楽劇ではなく、この質感を保ったままで普通の演出ならばもっと良かったのではないかと思わずにはいられない。
激動の歴史を背景にして、貧困の男がひねくれそこから改心して善人になる波乱の半生を描いたユーゴー原作の物語は、流石に重厚で素晴らしい。だが長い話を映画にするにはどうしても展開を省略しがちで、後半のマリユスが出てきた辺りからは展開が分り辛い。物語にとってもジャンバルジャンにとっても重要人物であるコゼットの活躍も少なくて存在感が薄いのも難点。
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