未知との遭遇 ファイナル・カット版のレビュー・感想・評価
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あまたの「UFO特番」の元ネタ・原典が同作品であったと再認識!
目黒シネマさんにて8月22日(木)~24日(土)の3日間限定ですが『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『未知との遭遇 ファイナル・カット版』と豪華4本立て。アラフィフおやじ感涙のプログラム! 『未知との遭遇 ファイナル・カット版』(2002) ご存じスティーヴン・スピルバーグ監督が『ジョーズ』(1975)の次に手がけた作品。 『オリジナル劇場版』(1977)『特別編(ディレクターズ・カット)』(1980)『ファイナル・カット版』(2002)と3バージョンありますが大きな相違はないとのこと。 劇場スクリーンでの鑑賞は初。 作品自体も数十年ぶりの鑑賞ですが、同作が以後のSF作品に及ぼす影響の大きさは当然ながら、「キャトルミューテーション(UFOに人間や動物が連れ去られる」「バミューダトライアングル」や「宇宙人のパブリックイメージ(=リトルグレイ型)」などわたしが幼少期に観たあまたの「UFO特番」の元ネタ・原典が同作品であったと再認識しましたね。 話の骨格は『モーセの十戒』。 主人公のロイが家族を捨てて「出家」し、山(デビルズタワー)で「神」に出会うという宗教的な面を持っていることは今回の上映で知りました。 本作ではフランス人UFO学者のリーダーとして映画監督フランソワ・トリュフォーが重要な役で出演しておりますが、なかなか好演しておりましたね。
あの宇宙船の行く先は
他の版も含めて初めての鑑賞。もっと全編SF色の強い作品かと思っていたが、終盤まではホラー映画やパニック映画の様な印象。 主人公同様に見る側もあれが何なのか分からないまま話が進んでいく。何故あそこにフランス人のトリュフォーが配役されているのが何とも不思議だけど、力が抜けて丁度良い気もする。 終盤、一気にSF感が強くなる。シャンデリアの様な、クラゲの様な、美しい造形。こんなにも前から、こんな映像を作っていたなんてと、ただ驚き。 主人公を乗せて行く先はどんな所なのだろうか…
狂った親父のやばさよ!
窓から土をスコップでブチ込む事が、こんなに人間の狂気を表現するとは思わなかった!
そりゃ子供も泣くし、女房は逃げるわ。
親父が土で例の山?を作ってからはスピルバーグらしい怒涛の展開でグイグイ引っ張っていくのだが。
宇宙人と交信したり、ラストで主人公が宇宙に出発するシーンは、謎のカタルシスと( ;∀;)イイハナシダナー感がある、、、、が、彼は家族平気で捨ててるよね。冷静に考えると中々狂気を含んだ最後。
家族を捨てて呆気なく宇宙に
冒頭でTBFアヴェンジャーが登場し、エンジン蒸して飛行してるのにも度胆を抜かれた!
未知とも遭遇するが、アーティストが抱える「創作の孤独」も描かれている。
スピルバーグの傑作としてよく知られている本作。 ちなみに「ローリングストーン誌が選ぶ最高のSF映画150選」でも3位だった(1位は「2001年宇宙の旅」)。 アメリカで大規模な停電が起こったり、未確認飛行物体が飛来するなどといった現象が起こる。そんな中で、主人公のロイ・ニアリーはなにかに憑りつかれたようになり、導かれていく。 といったストーリー。 2時間ほどの作品で、1時間40分ほどを「なにか大変なことが起こっている」という予感だけで引っ張るのは見事だ。 スピルバーグの自伝的映画「フェイブルマンズ」で、子どもの頃に観た「地上最大のショウ」で、機関車が車を吹っ飛ばすシーンに魅了されるところから、スピルバーグはインパクトのあるビジュアルを好むのだとわかる。 だから、「予感」だけで物語を引っ張ることができたのだ。 ビジュアル的なすばらしさはあるのだが、この映画はなにを伝えようとしているのだろうか。アメリカ政府が極秘に進めている宇宙人とのコンタクトを、国民に開示する前に、免疫をつけさせるための「教育映画」だという話も聞くが、いまだに開示は行われていない。 自分は、主人公のロイが自分の中にある、まだ形の見えない「なにか」を追い求める姿に、アーティストがビジョンを形にするために四苦八苦する姿を見た。つまり、本作はスピルバーグ自身が創作の葛藤を語った作品なのではないだろうか。 だからこそ、あまたあるファーストコンタクト物の中でも傑作とされる力を持ったのだと思う。 本作の製作費は28億9千万円。興行収入は443億円。もちろん大ヒット作品ということになるが、それ以上の価値を与えられている作品でもある。
スティーヴ・マックイーン‼️
この作品は「E.T.」同様、スピルバーグ監督にしか作れない作品‼️宇宙人とのコンタクトが日常生活の中でも起きる可能性を示したSFロマンの名作です‼️スピルバーグ監督は「宇宙戦争」でも、実際宇宙人が侵略してきたらこんな風になるだろうみたいなリアルな描写が印象的でしたが、この「未知との遭遇」も実にリアルな描写が満載で、第二次大戦中のパイロットが機体を残して行方不明になっていたり、町全体だけでなく車のバッテリーまで停電したり、純粋な心を持っているものだけが友好的な宇宙からのメッセージ(UFOの着陸地点の山)を理解できたり、音楽でコミニケーションを図ろうとしたりなど、ファンタジーな中にもあり得そうなリアリティーがあると思います‼️そしてやっぱりマザーシップ‼️大小取り混ぜたUFOが乱舞する光と幻想の圧倒的な映像オペラ‼️まるでシャンデリアのようなマザーシップ‼️そして異星人とトリュフォー博士が手話をしながら笑顔で向かい合うクライマックスシーン‼️もうホントに胸が熱くなります‼️感動します‼️そしてエンディングに「ピノキオ」の主題歌「星に願いを」がかかってしまう‼️もう反則と言わざるを得ない素晴らしい選曲‼️さすがスピルバーグ監督‼️結論としては「シンドラーのリスト」や「プライベート・ライアン」はスピルバーグ監督じゃなくてもひょっとしたら作れる‼️でも「未知との遭遇」や「E.T.」はスピルバーグ監督じゃないと作れない‼️ゼッタイ‼️加えてリチャード・ドレイファスがハマり役だったロイ役‼️実はスピルバーグ監督は当初スティーヴ・マックイーンにオファーしたみたいです‼️マックイーンは演技で涙を流すことが出来ないからと断ったらしい‼️この幻のキャスティングを考えると興奮して夜も眠れません‼️今ではリチャード・ドレイファス以外考えられないロイ役ですが、マックイーンが演じていれば、マックイーン以外考えられないロイ役となったでしょう‼️
【スティーヴン・スピルバーグ監督の異星人の存在を肯定しつつ、新たなる繋がりを感じさせるSF映画の大作。】
■メキシコの砂漠に、第2次世界大戦期の戦闘機や失踪した貨物船などが姿を現す。 同時にアメリカ国内で謎の発光体が目撃され、ロイ・ニアリーも謎の光と不可思議な飛行物体と遭遇する。それ以降、彼は何かに憑かれたかのようにUFOの目撃情報を集め始める。 ここがポイント! ◆感想 ・久方ぶりに鑑賞したが、スティーヴン・スピルバーグ監督の異星人の存在を肯定するスタンスをベースにしたストーリー展開が面白い。 - 普通は、宇宙人からの攻撃をストーリーにするのだが、今作は違う。 スティーヴン・スピルバーグ監督の懐の深さを感じさせる作品である。ー ・映像的には、今から30年以上前とは思えないレベルの高さである。 ・宇宙人たちは、地球の人類の思想を探るために、1945年からの数々の戦闘に従事していた兵器及び人たちを捕獲するが、キチンと返すのである。 <今作は、現代のSF映画に多大なる影響を齎した映画である。 そして、スティーヴン・スピルバーグ監督の異星人の存在を肯定するスタンスが素晴しいのである。(普通は違うでしょう。) イロイロな意味を鑑みても秀作であると思います。>
ポリティカルサスペンス、時々気狂い。 気狂いした父ちゃんがポテサラ...
ポリティカルサスペンス、時々気狂い。 気狂いした父ちゃんがポテサラでデビルズタワーを作り出した時の、父ちゃんを見る家族の目。笑っていいのか、なんなのか。 政府の陰謀論の走りって、これかーーー!!としみじみ。 他のバージョンも見てみたい。
映像は素晴らしいのだが
UFOに魅入られた人たちが、政府のUFO計画に迫る。 UFO計画のリーダーがフランソワ・トリュフォー、UFOのデザインや映像が素晴らしい。 ストーリーは無理筋だけど、音楽も含め映画らしい記憶に残る作品。
1978年、日本の特撮映画界は2隻の黒船を迎えた 「未知との遭遇」と「スターウォーズ」の来航だ 旧来のアナログな特撮でガラパゴス化していた日本の特撮は立ち向かう術もなかったのだ
本作は1977年の米国公開 つまりスターウォーズと同じ年の公開 この2作品の大ヒットは、世界中でにわかにSF映画ブームを巻き起こした 今でもスターウォーズは知らない者が無い超有名コンテンツであるが、本作はもうあまり思い出される事も無くなっている 一体何があの当時本作を大ヒットさせたのだろう? 21世紀の現代で本作を思い出して観る意義や意味は何か? 分からないというしかない しかしなぜか観てしまう力があるのは確かだ X ファイルは本作のチルドレンになのはすぐ理解できると思う 1960年代のヒッピー達が好むような空気がある 米国に於ける団塊の世代であるベビーブーマーは 30歳代になる頃の作品 青春時代にヒッピー文化に触れ、超常現象などにかぶれた世代が、劇中の家族のように所帯を構え、子供が生まれ、家を買い、仕事に励み落ち着こうとしている 日常生活の中に埋没していく毎日 若い頃のヒッピー的な空想に耽った自由さを取り戻したい そんな欲求を映画として提供する それがテーマであったのだろう スピルバーグの劇場公開作品は実質的にはジョーズが第一作 これが空前の大ヒットになっての第2作 相当なプレッシャーであるはず 反面好きなことは何でも出来る、要求したことは全て叶えられる立場になった訳だ ヒッピーのさまよう自由さを取り戻したい そのあがきをテーマに映画を撮りたい どうせなら憧れのトリフォー監督を俳優として使いたい 特撮を駆使してかって誰も観たことの無い映像でこのテーマを撮りたい これが本作なのだと思う しかしそれだけで大ヒット映画になるものか? アメリカ公開は1977年11月 スターウォーズは同年5月だから、スターウォーズの余勢をかった感じがあるのは確か その前年の1976年はアメリカ独立200年記念 ベトナム戦争も終わり何か新しい時代が始まるような時だったのだ 1977年8月には映画「コンタクト」の元ネタになった宇宙からの謎の信号をキャッチしたというニュースが話題になった その直後にはボイジャー1号2号が相次いで打ち上げられたニュースが続いた まさに時流に乗った それもたまたま 強運も名監督の力なのかも知れない しかし本作を21世紀の日本の特撮ファンが観る意味と意義は別にある それは日本の特撮にとっての二隻の黒船の一つだということだ 特撮はダグラス・トランブル この名前は特撮界では黒澤明にも匹敵するビッグネームだ コアな特撮ファンしか知らなかった、このトランブルの名前を世界に轟かせたのが本作の本当の意義であるかも知れない 1942年生まれ、本作公開時35歳 つまり平成ゴジラシリーズを担当した川北紘一と同い年だ 父は「オズの魔法使い」を担当した特撮マンだったという 若い時にNASAの仕事で作った映像がキューブリックの目に留まり、1968年公開の「2001年宇宙の旅」の特撮に参加する 超有名なスターゲートの映像は彼の手によるもの これが26歳の時 1971年には監督として「サイレントランニング」を撮る 同年「アンドロメダ…」の特撮にも参加 1973年にはカナダのTV で「スターロスト宇宙船アーク」を製作する コアなSFファン特撮ファンならどれも皆さん観ているはず そしてルーカスからスターウォーズの特撮をとオファーを受けるが他の仕事があったために不参加 この当時にして既にトップランナーであったのだ 仕方なくルーカスは当時まだ無名のジョン・ダイクストラを中心にILMを設立したのだ ジョン・ダイクストラは1947年生まれ、トランブルの5歳下 その後、ダグラス・トランブルは、本作、スター・トレック、ブレード・ランナー、ブレインストームとSF映画、特撮映画の金字塔を次々に打ち建てたのはご存知の通り 1978年、日本の特撮映画界は2隻の黒船を迎えた 日本でも大ヒットが予想されるので一層の観客動員と関連グッズの展開の為に公開が翌年にスライドされたのだ 本作がまず4月に、スターウォーズは7月に公開された 「未知との遭遇」と「スターウォーズ」は正に黒船の来航だった 旧来のアナログな特撮でガラパゴス化していた日本の特撮は蒸気機関の吐く煙のような新時代の特撮技術に立ち向かう術もなかったのだ 対抗して製作された「惑星大戦争」や「宇宙からのメッセージ」はいわば攘夷打ち払いにも似ている デジタル技術などを駆使した新技術の海外特撮からの立ち遅れが決定的に白日の下にさらされたのだ 1968年、「2001年宇宙の旅」で受けた衝撃を無かった事にして来たツケが回ってきたのだ 海外の急速に進展して来た新特撮技術を取得するための努力をして来こず安易な企画、低予算での製作を漫然と続けてきた結果なのだ しかしそれは現場の特撮マン達の責任ではない 海外の特撮事情の情報収集、特撮マンの海外視察、新技術への投資 こうしたことができなかった当時の日本の映画会社の上層部に責任がある ただ、その時期は日本映画のもっとも苦しい時期だった そんな将来を見越した投資はとてもできなかったのも確かだ その中で川北さんのような現代に繋がる特撮マンの系譜を途絶えさせなかった その事は評価しなければならない 人があってこそだ 二隻の黒船に全く歯も立たない 攘夷を決行しても情けない結果しか出ない 手も足も出ない その悔しさを誰よりも感じていたのは日本の特撮マンのはずだ それだけのインパクトを日本の特撮界に本作は与えたのだ
純粋さは狂気
この映画は最後までどうなるかが分からない、正に予測不可能なSFである。その長所を形作ったのはこの作品が登場する以前のSF作品、『宇宙戦争』や『地球の静止する日』のように最後まで宇宙人の正体がはっきりせず、また地球人にとって善か悪かが分からない、鑑賞者に緊張感を与えるような構成であろう。
しかしこの映画が印象深いのはどこまでも主人公が純粋なことである。私はこの作品を学生の時に見たのだが、恐らく幼少期に見た場合とでは感想は違ってくるだろう。何故ならヤングアダルトを含むある程度現実を知った大人たちには主人公の純粋さは狂気にしか見えないからである。
例えば宇宙人が発するメッセージにインスピレーションを受けた主人公は無我夢中で受けたメッセージを形にしようとし、家の中でそのイメージの模型を作ろうとする、そのために材料を得るため家の周りに植えている木を抜き、更には他人の家の金網を奪う、啞然とする住人に対し、主人公は「私は正気です。」と平然と言い放つ。これが狂気以外のなんであろうか。この主人公の好意を素直に手伝おうとしているのは純粋さを持つ子供だけである。結局妻には逃げられ、近所の人からは白い目で見られる。余りの純粋さは狂気として写る現実を示した場面であろう。
だが結局は主人公は正しく宇宙人と対面することが叶う、この妄想に囚われ正気を失ったように見える主人公の認識が正しかったという展開は『ローズマリーの赤ちゃん』と同様である。しかし主人公は幸福のまま映画は幕を閉じるが、家族はどうだろうか?宇宙人の存在は政府によって隠蔽されるかもしれない、そうすれば残された家族には主人公はただ正気を失い姿を消した夫、もしくは父となるだろう。仮に宇宙人が主人公を招き連れていったと認めても家族を捨て、未知なる世界を選んだという事実は消えない。純粋さはスクリーン上のみに成立するものであり、結局独善的なものである善意は大人になる過程で捨てなければならないものである。そう純粋さを否定しない映画から逆説的に捉えてしまう私は主人公を白い目でみる虚しい大人なのだろうか?
続編があってもいい
スティーブン・スピルバーグ作をちゃんと観たのは、恥ずかしながら今作が初めてかもしれません。 それでもどの作品も誰でも名前は聞いたことのあるものですよね。 UFOとコンタクトを取るという話ですが、宇宙人は本当に最後の最後しか出てきませんでした。 本当に最後です。 かなり待たされた分、予想通りの宇宙人で予想以上に可愛らしかったので安心しました。 UFOの怪しげな光や不可解な現象は、現代でも全く違和感がなく、当時にしては凄いと思います。 UFOとの交信までのストーリーがメインですが、少し分からない点もあり、やや難しかったです。 何故UFOを見るとあそこまで気がおかしくなり、あの山を目指すのかということとロイ及び彼の家族のその後は特に気になるポイントでした。 でも、そういう多少の疑問点がある方が、この映画に合っているかもしれません。 五音で構成されたあの交信音は耳に残ります。 映像も音楽も幻想的で非常に良かったです。
すごい!
すごい映画でした😃 メジャー作品、今更ですが視聴。 ゾクゾクする感じ、これを40年前に考えちゃうって凄い✨ 子供の鉄琴の音色が今でも残ってます🎵 世界観が変わりました☺ お疲れ様でしたって言いたい。
映画史に燦然と輝く奇作
圧倒的な画作りとプロダクトデザイン、完璧な演出とジョン・ウィリアムスによる音楽で否が応でも盛り上がる終盤。 すべての要素がものすごい感動的なピークを迎えて終わる。 なのに、なぜ感動させられているのか、なにに感動しているのか、よくわからない。 アメリカ映画の国是である家族と敵への勝利を完全に否定して、とくに前者に関しては監督本人が後年になって反省していたというけど、私は好きだ。 「ジョーズ」が紛れもなく王道のエンタメだったことに比べると、この作品が伝えてくるメッセージはきわめて異質なもの。 だけど映画としてはジョーズ以上の強度を感じる。 子供がさらわれるシーンのホラー的演出とか、主人公の異様さが決定的になるところとか、なんて言ったらいいかわからないけど、とにかく説得力がずば抜けている。 そのことが空恐ろしくもなる奇作。
当時のスピルバーグが自身の映画との向き合い方を示している作品だと思う
この映画を見て当時のスピルバーグにとって、
未知(宇宙人)≒衝動を駆られるモノ、情熱が湧き出るもの≒映画
だと思った。
「未知との遭遇」で宇宙人に魅入られたリチャード・ドレイファスは映画監督の才能があったスピルバーグ自身なのだ。つまり、その追求の為ならば家族を捨てても構わない。
なんというか視聴した後良かったねって素直に思えない。なぜなら主人公家族は離散してるから。父が自分の衝動に生きるために嫁と子供を捨てたのだ。
また、この映画はスピルバーグの心象風景が端々に入っている。スピルバーグは夫婦喧嘩の絶えない家庭で育ったそう。リチャードドレイファスと嫁さんの喧嘩のシーンはとても辛い。その辛さは夫婦喧嘩を第三者・子供の目線から撮っているからでは無いかと思う。
リチャード・ドレイファスは宇宙人に出会う前、初めて登場した時からろくな父親では無い。子供の質問にまともに答えず嫌がらせで返し、約束も平気で反故にする。嫁さんも素直な良い人なのに邪険に扱う。リチャード・ドレイファスは最初から家族を大切に扱っていなかった。そんな男が宇宙人に魅入られたことで完全に家族を切る選択に突き進む話だと思った。
またデビルスタワーの近隣から住民を避難させる列車の様子などどうもホロコーストを思い起こさせる。
ただ、やっぱり才能は確か。初めてリチャードドレイファスが宇宙人と接触する場面。後方から抜き去る車の動きをヘッドライトの動きで示すシーンを入れた後、2台目の車のヘッドライトが宙に浮かび、観客にアレっと思わせる。
またジョーズでも健在だがレーダー室の場面や子供のアブダクションの場面など見せないで感じさせるのがまー上手い。そしてアブダクションされた子供が戻るか戻らないかで観客の心にどこかソワソワを残しておく。すると話が引き締まって観客が話に飽きずについて来てくれる。
当時のスピルバーグはまだ若く、結婚してしていなかったのか。若者が自分の才覚に生きる格好良さみたいなものを追い求めているように映った。
おそらくスピルバーグも結婚して子供が出来たから認識が変わったのだろう。ジュラシックパークのような映画が撮れたのだと思う。
タイトルなし
午前10時の映画祭で鑑賞。 宇宙人とのコンタクトは様々な作品で映像化されているけど、音(をベースにした手話)で交信するこの作品があったからこそ、その後の広がり(メッセージなど)に繋がったと思える。
スピルバーグ作品では最も好きな作品
「ファイナル・カット」版が午前10時の映画祭で劇場公開された。 「特別編」で見られたマザーシップの内部は「ファイナル・カット」では見られない。 これは、映画会社側が母船の内部を見せることを「特別編」製作の条件にしたもので、スピルバーグの意向には反していたためらしい。 だがしかし、スピルバーグがこだわったはずの、エンディングに織り込まれた「星に願いを」のメロディーが、削除されているのはなぜだろう。 ジョン・ウィリアムズの見事なアレンジと、巨大なマザーシップが地球から飛び立つきらびやかな映像が重なった、素晴らしいエンディングで大好きだったのだが。 この映画は、あらゆるカットが「これぞ、映画!」と言える、スピルバーグのこだわりの構図がめじろ押しだ。 点けっ放しのテレビ画面をスクリーンの手前端に配置して、中央奥に粘土で作ったデビルズタワーがそびえ立つ構図。 そのテレビ画面に実際のデビルズタワーが写し出される演出だ。 砂丘の向こうから車が跳ね上がって飛び出したと思いきや、へリコプターが後を追って飛んで来る構図。 砂丘を下から見上げているので、車もヘリコプターもまるで地中から噴き出して来たようだ。 軍から逃げ出した主人公たちが、たどり着いたフェンスの向こうにデビルズタワーを仰ぎ見る構図は、カメラが徐々に上に角度を変えていき、観客も一緒にデビルズタワーを仰ぎ見るようになっている。 そこに乗っかるジョン・ウィリアムズの音楽が感動的ですらある。 他にも、憎い構図は数えきれないほどある。 原題は「第三種接近遭遇」、キャッチフレーズは「We are not alone.」 宇宙から飛来してくる異星人は、侵略者などではない。 我々はこの宇宙にひとりぼっちではないのだ…というテーマは、当時は斬新だった。 宇宙人は侵略者が定石だったから。 説得力のある説明は全くないまま、ストーリーは進んでいく。 が、そんなことはどうでも良く、UFOとの交信を遂に実現し、マザーシップが降臨するクライマックスのスケールと美しさがもたらす圧倒的なカタルシス! 音と光でUFOと交信するという、ビジュアリストであるスピルバーグの見事な発想と、ジョー・アルヴスによるプロダクションデザイン、そしてジョン・ウィリアムズの迫力のスコアの素晴らしい融合。 このクライマックスのために、ここまでのすべてのシーンが積み上げられている。 主演のリチャード・ドレイファスは「ジョーズ」に続いてのスピルバーグ作品。 話題はフランソワ・トリュフォーの出演だった。 見逃せないのは、出ていってしまう妻役のテリー・ガー。 この頃、映画館に行くとスクリーンのどこかにテリー・ガーがいたような気がする。 ちょっと気が強いが、普通でまともな妻を好演している。 子供を連れて出ていったきりなのが、残念だが。 そういえば、あの妻と子供達は、主人公がUFOの母船に乗って旅立ったことを知らされるのだろうか…
40年ぶりの接近遭遇
約40年ぶりの再見。もちろんDVDも出ているけど、あの満艦飾のシャンデリア登場シーンの感動を味わうには、やはり大画面でないと。リチャード・ドレイファスが築山造りに熱中するあたりはやや中だるみの感があるが、ド派手なクライマックスのおかげでおおむね帳消しに。
考えてみれば、「激突」の原題は「決闘」だし、「ジョーズ」は「顎」だし、本作も「第三種接近遭遇」だ。外国映画の題名はそっけないのが多い。本国ではその題名で観客が足を運んでいるんだからね…。
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