「今観ても黄泉がえる感動」黄泉がえり Kusakanさんの映画レビュー(感想・評価)
今観ても黄泉がえる感動
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色んなシチュエーションの黄泉がえりを描く群像劇でありながら
心理の変遷は一本に連なっていて
細切れで描かれる各人物が裏でどう考えて動いているのか容易に想像できる。
特に初見のときに一番の感動ポイントだった、戻って来たのに年老いた母親を受け入れられず孤独だった浦島太郎な少年が助けを求めて、夜不意に平太の前に現れる必然性と
それによって平太が残された時間がないことを知らされ、ラストに向けてストーリーが走り始める。
主人公の背中を押す切っ掛け作っただけで、カツオ少年置いてけぼりかと残念に思いながら見ていて
エピローグでの北林谷栄からパーンしてのクレヨン画
走り出した平太を見て、カツオ君も背中を押されていたのかと理解したら
ラストシーンでもう涙腺崩壊してたのに、更にきて大変だったのをよく覚えてる。
セリフでの説明が少なく、いずれかの登場人物に注目してしまうと点描でしかないが
点と点を繋げる想像力があれば、そこにはベタベタな感動エピソードがあり
エピローグに出てこない黄泉がえりにまで想像の手を広げれば、重厚長大な人間ドラマが見えてくる。
改めて見直すと
長回しのカットや長めの風景画で、あれこれ考えながら見られる間がきちんと取られているし
RUIの歌詞で黄泉がえり当事者達の心象を説明して、ラストに向けて丁寧に地均ししていて
初見で原作知らずに映画にどっぷり浸っても愉しそう。
原作の世界感に沿いながら、原作とは違う切り口で描くドラマ
原作を知らなければ思いも寄らない「彼」は、映画の中にも感じられ
知っていたので、ラーメン屋店主が一人残るのだと思い込んでたらサプライズなラストになったのだけど
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