かかしの旅のレビュー・感想・評価
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いいんだよ、無理に話さなくても・・
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映画「かかしの旅」(冨永憲治監督)から。
小さい時、ある事故で右足が不自由になったことから
学校では「かかし」と呼ばれ、苛められていた少年が家出をした。
しかし、行くあてもなく、コンクリートの階段に座り、
ぼ~っとしていたら、どこからか3人の少年が寄ってきて、
知らないうちに、仲間として認めてくれて共同生活をする。
そのきっかけになったのは、最初の話しかけであった。
普通なら「名前は?」「家はどこ?」「どうしたの?」など、
警察尋問のように、質問の嵐に見舞われるのだが、
彼らは戸惑っている主人公に向けて、こう発した。
「いいんだよ、無理に話さなくても・・」
この一言は、人間不信に陥っていた主人公にとって、
とても救いになった言葉だと思う。
物語中盤「どうしてみんなが僕を受け入れてくれたのか、
はっきり聞いたわけじゃないけど、何となく判るような気がする。
みんな僕と同じなんだ」と振り返るシーンもある。
心を閉ざした人間にとっては、何よりも温かい言葉は、
「いいんだよ、無理に話さなくても・・」だったということ。
「どうして何も話してくれないんだ?」と問い詰めるのは禁止。
「北風と太陽」の話に似ているなぁ。
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