劇場公開日 2006年1月7日

「日本では輪廻転生ブームらしい・・・ほんとですか?」輪廻(2005) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本では輪廻転生ブームらしい・・・ほんとですか?

2021年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

 手塚治虫の『火の鳥 鳳凰編』に出てくる輪廻転生のシーンはコミックながらスピード感があふれ衝撃的なものだった。また、同太陽編でも壮大な輪廻転生のドラマが描かれている。日本では小説や映画など数多くの輪廻が描かれていますけど、ほとんどが恋愛もの。よく考えてみると、ホラーにしたほうが面白いはずなのです。下手すると、まじめに「自分の前世が・・・」と語ってしまうとカルト教団の教祖のようにも感じてしまうので、kossy的には「前世とはネタにすぎない」というスタンスで語ります・・・

 2006年1月7日公開の映画を早々と試写会で鑑賞いたしました。J・ホラーの大御所、清水崇監督のこの映画。『呪怨』シリーズなんてそれほど好きではないのですが、この映画はJ・ホラーとしては個人的に久々のヒットとなりました。前世における凄惨な事件に絡んで霊に縛られるといった恐怖感よりは、被害者の生まれ変わりがパラレルワールドで同時進行する事件の再現の面白さ。辻褄が合わないはずなのに緊迫感を感じてしまうのです。

 俳優では香里奈に注目していたのですが、優香がすごい!2006年の日本絶叫クイーンも確定かもしれません。今後もホラーで活躍してもらいたいです。キャストの一覧を見ても、二人が中心で絡んでくると思っていたら、完全にパラレルワールドです。この奇妙な関係に、どうなることかとスクリーンを凝視してしまうくらいストーリーに引きこまれてしまい、ラストまで目が離せません(というより、トイレにでも行こうものならわからなくなります)。

 ストーリーの中心は、椎名桔平演ずる映画監督が被害者の視点で事件を再現していく製作過程。「お前が犯人やろ!」などと結末を予想していると・・・と、とにかくラストは想像できません。ツッコミどころを忘れさせてくれるほど面白かった。

kossy