火火のレビュー・感想・評価
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「いや~、いい映画作ってますね~」と言う中島誠之介の顔を想像してしまった
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信楽焼の素朴な色彩、力強さ、そして“火火”というタイトルがそのまま女性陶芸家の草分け的存在である神山清子さんを表しています。「死にたいんか?」と一瞬乱暴な言葉ともとれるが、息子に投げられたこの言葉がなんと愛情がこもっているんだと感じられる不思議な魅力を持っている力強いお母さん。「貧乏は嫌や」と言うが、何もかも無くした状態、自分を捨ててからでないと作品に心がこめられないという信念。自然釉(特殊なうわぐすりを使わないで出す焼物のつや)を出すためには何度も作品を砕くというこだわりをも見せる芸術家タイプ。夫には捨てられた形となったが、こんなエネルギッシュな素晴らしい女性に求婚する男がいないわけがないのだが、「財産を捨てて、裸一貫になって来い」という言葉を投げかけてしまうといった人生のこだわりをも見せるのだ。
全く予備知識無しでこの映画を観たのですが、最初は実話に基づいたものだとは知りませんでした。息子賢一の恋人役として好演していた池脇千鶴が途中から出てこなくなったので、実話だと気づきました。突如襲いかかる白血病と闘う息子賢一は、窪塚俊介(洋介の弟)が演じていますが、多分兄を超えるだろうと期待させてくれました。多分、今年の邦画男優賞の賞レースには確実にからんでくるでしょう。
平成3年にようやく設立された日本骨髄バンクのドナー登録者数は20万人だそうです。昨年も『半落ち』『世界の中心で、愛をさけぶ』など、白血病に関する映画がヒットしてますが、この『火火』のほうが実話なのに完成度が高いような気もします。
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