「期待通りの日常もの」犬猫 yutakさんの映画レビュー(感想・評価)
期待通りの日常もの
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【80点】
リアルさと創作的な誇張のさじ加減が絶妙で、非常に観やすかったです。邦画の日常ものを観るときに期待するような、自然な笑いや共感できるエピソードなどがばっちり押さえられていて、そうそうこういうのが観たかったんだと思わせる作品でした。
小道具の使い方もうまいです。ヒロイン二人が同じ行動をとったときに、片方だけが道路鋲に躓いたりして変化を出したりします。二人が同じ花を持って帰ってくるあたりも、ストーリー展開を暗示していて、なるほどと思いました。
最初のうち、スズがあまりにもとろいので張り倒したくなりましたが、観ているうちにだんだんいい子に思えてくるあたりが監督の腕ですね。元彼氏と再会したときにぶん殴るあたり、綺麗に怒ることのできるスズに好感が持てました。構図の反復のさせ方も良かったです。
私はずっと、二人の内どちらが犬でどちらが猫か判別しようと思いながら観ていましたが、どうやらそういう話ではなかったようですね。たぶん、ヒロイン二人と犬猫を重ねて、世の中には犬派もいるし猫派もいるけれど、どちらも可愛いものなんだよと、そのあたりの意味合いだったのだと思いました。のんびりしたいい映画です。
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