ハッスル!(2003)

劇場公開日:

解説

「シティ・オブ・ゴッド」「モーターサイクル・ダイアリーズ」など、近年活気づいているラテン映画界から登場したチリ・ムービー。一人の魔性の女をめぐって、実の兄弟が愛と欲望を錯綜させる官能ラブ・サスペンス。“チリ人妻”として日本のワイドショーを賑わせたあのアニータが、少年を大人にする性の指南役として特別出演している。

2003年製作/115分/チリ
原題または英題:Los Debutantes
配給:ハピネット・ピクチャーズ=メディアボックス
劇場公開日:2004年10月16日

ストーリー

母親の死後、チリ南部の田舎町テムコから首都サンチアゴにやってきた若き兄弟、シルビオ(ネストル・カンティリャーナ)とビクトル(フアン・パブロ・ミランダ)。華やかな都会の生活に憧れ、期待に胸を膨らませて田舎を出てきたふたりにとって、大都会はあまりにも誘惑の多い場所だった。弟ビクトルの17歳の誕生日、兄のシルビオは怪しげなナイトクラブにビクトルを連れてゆく。そのクラブには中央に小さな舞台があり、妖艶なストリッパーたちが激しく腰を振りながら、官能的なダンスで男たちを魅了している。その悩ましげなダンスを横目にしながら、シルビオは店内にいたひとりの娼婦ソランジ(アニータ・アルバラード)に声をかけると、彼女は「任せて」と言い残し、ビクトルの手をとって店の隠れ部屋へと消えていった…。弟思いのシルビオがこの店に連れてきた本当の理由とは、誕生日プレゼントとして「童貞を卒業」させてやることだった。ビクトルが初体験に夢中だった頃、クラブではひとりの泥酔客が拳銃を取り出して騒ぎ出す。店の男たちがたじろぐ中、シルビオは一瞬の隙を見て男を倒し、あっという間にその場を収めた。その一部始終を見ていた店のオーナー、ドン・パスカル(アレハンドロ・トレホ)は、シルビオを2階にある事務所に呼ぶ。ひとりその場に残ったビクトルは、舞台で一心不乱に踊るひとりのダンサーに目を奪われていた。店の人気ナンバーワンである彼女は、胸と腰をビキニのようにクリームで隠しての挑発的なダンスで、自らも陶酔するように踊り続けている。その狂おしい表情と憂いを秘めたまなざしに、ビクトルはすっかり魅了されてしまった。一方事務所では、シルビオはドン・パスカルからドライバー兼取立ての仕事を与えられる。こうしてシルビオは、裏ではサンチアゴの裏社会を牛耳るチリマフィアのボスという顔を持つドン・パスカルに誘われるまま、闇社会へと足を踏み入れるのだった。それから数日後、ビクトルは例のダンサーのことが頭からはなれず、勉強も身に入らない。学校をさぼって街へ出かけた彼の足は、いつのまにかあのストリップバーへと向かっていた。そこでビクトルは、あのダンサーの名前はグラシア(アントネーリャ・リオス)といい、昼間は映画館のチケット売りをしていると聞き出し、さっそく映画館へ行く。窓口にいたのは確かに彼女だったが、ストリップバーでの彼女とは程遠い、ごく普通の女性の姿だった。数日後、ビクトルは再び映画館に行き、勇気を振り絞ってグラシアに「アイスを食べにいかないか?」とデートを申し込む。そのあまりにも唐突でシンプルな誘いにあっけにとられたグラシアだったが、ビクトルの純真な態度に好感を持ち、その誘いを受ける。公園でアイスクリームを食べながら、いつしかお互いの生い立ちや夢について語り合い、ふたりは打ち解けてゆく。一方、いつしかシルビオは、ドン・パスカルの右腕ダニーロ(ロベルト・ファリアス)とマルセロ(ビクトル・モンテロ)を尻目に、ドンの信望を得て闇社会の“勝ち組”の階段を上り始めていた。ある日、ドンは一週間仕事でマイアミへ行くため、その留守をシルビオに託した。シルビオがドンの留守を預かっている間、うっかり家の鍵をなくしたビクトルが、ドンの屋敷へ向かう。そして、家の駐車場でシルビオとグラシアが激しく抱擁し、熱いキスを交わしている現場を目撃してしまい……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く