「放送禁止歌」 唄っているのは誰? 規制するのは誰?

劇場公開日:

解説

放送禁止歌の取材を通し、そこから浮かび上がるメディアの正体を鋭く抉り出すドキュメンタリー。監督は「A」の森達也。撮影を森監督と井坂光徳が担当している。99年5月22日にフジテレビ系深夜ドキュメンタリー番組“NONFIX“で放映されたもの。DV作品。ビデオプロジェクターによる上映。

1999年製作/52分/日本
配給:森達也
劇場公開日:2001年2月3日

ストーリー

放送禁止歌には様々な歌がある。その多くは、政治的や反社会的、差別的な内容なものだ。しかし、中には全体の歌詞を通してではなく、たった1行の為に放送禁止に指定された不幸な歌も少なくない。では、一体誰が放送禁止か否かを決めているのか。実は、民放では日本民間放送連盟が“要注意歌謡曲指定制度“というものを設け、それに指定された歌は3つのランクに分類され、各放送局に通達されていた。ところが、その制度はあくまで目安で拘束力がないばかりか、システム自体消滅していると担当者は言う。では、どうして現在も放送されない歌があるのか。それは、クレームが来た場合にそれに立ち向かう余裕がなかった放送局が価値判断の放棄、即ち臭い物には蓋をしてきたのが一番の理由だ。つまり、歌を規制してきたのはメディア自身だったのだ! 事実、要注意歌謡曲のリストに掲載されていない『竹田の子守唄』は、被差別部落で生まれた歌らしいことが囁かれた為に、放送されない経緯があったようだ。作品のエンディング、部落差別を歌った岡林信康の『手紙』がフルコーラスで流れる。

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