劇場公開日 2000年4月29日

「谷田部監督あんまりに可哀想(´・ω・`)」GUNDRESS<完全版> かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5谷田部監督あんまりに可哀想(´・ω・`)

2024年10月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

『攻殻機動隊』の士郎政宗がキャラクター&メカデザイン。

【ストーリー】
西暦2100年。
横浜ベイサイドシティ。
東京をもしのぐ巨大都市として発展していたが、同時にテロリストの跋扈する犯罪多発地域ともなっていた。
新たに市長に就任したウォン=ハイクは、元SWATのゴウマンに治安維持組織の再編を指示する。
ゴウマンはかつての教え子のタカコに警備会社の創設を依頼、ここに"エンジェルアームズ社"が発足する。
メンバーは全て女性。
最新式のパワードスーツ"ランドメイト"を駆り、彼女たちはテロリストたちと対峙する。

知る人ぞ知る、ある意味伝説のアニメ映画。
レベルの低い作画、タイミングの悪いアクション、噛みあわせの悪いキャラクター、悪い意味でテンプレ通りのセリフとストーリー展開。
全体どうしようもない出来です。
上映版はもっとひどくて、もうね、人に見せちゃいけないレベルの画面。
それもそのはず、監督を押しつけられた谷田部勝義氏が現場入りした時点で、制作しっちゃかめっちゃかで時間も人手も足らず、全体の統率なんておよびもつかず、スケジュールが遅れに遅れた上ついに完成せずに、未完成のまま上映、観客には未完成な内容と説明の上、後日完品のVHSソフトを送付したという、目も当てられない状況だったとか。
ひどいよね、そんな現場。

Wikipediaによると、元請けが予算の半分近く中抜きしたんですけど、別のテレビアニメ制作でこさえた借金をそれで補填したとかなんとか。
アニメ会社の経営破綻の典型的なケースなんですけど、帳尻あわせが全部この『ガンドレス』に集約しちゃった訳ですな。
『ふしぎの海のナディア』の劇場版も、そんな感じの低予算映画だったなあ。
あっちはガイナックスがテレビ放送本編にお金使いすぎて……まあそれはいいや。
谷田部氏、しばらく仕事もなくなって生活も大変だったとか。
今は大阪芸大の教授などもされているようです。

基本愛を覚えない作品にはレビューしないのですが、シロマサファン、そしてアニメ好きとしてはどうしても一言、残しておきたい。
キャラとメカのデザインは良いんですよ本当に。
士郎政宗印の『アップルシード』と地続きの、かなりしっかりした設定があるんです。
女の子はかわいいし、メカはかっこいい。
まあ、完成品がダメなら全部ダメ、なんですけど。
本当に残念です。

かせさん