「監督も安吾ファンですよね?」白痴 セツさんの映画レビュー(感想・評価)
監督も安吾ファンですよね?
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オリジナル要素が加えられているものの、原作小説のベースを変えずに忠実に再現されていて好感が持てる。小説の文章を多めに引用してるのも良い。
伊沢の耳を切るシーンは『夜長姫と耳男』から来てると思うので、オリキャラ銀河嬢は夜長姫的要素も入っているのかな。(でも夜長姫にしては安っぽいから他作品の要素もありそう)
若き浅野忠信が素敵すぎる。演技が上手いのはもちろん雰囲気がぴったり。雰囲気まで創れる役者さんってすごい。白痴の女役の人もめちゃ良かった。
安吾作品によく出てくるキーワード「ふるさと」も盛り込まれてましたね。銀河ちゃんの男の覚悟の話と木枯じいさんの石の顔の話は元ネタありそうだけど分からなかった。首吊りの描写もどこから来たのか謎。
小説をそのままビジュアル化したような空襲のシーンは圧巻でした。そして海を見つめる二人、映画らしく少々ロマンチックになってますが、空襲の非日常と共に情熱は消えてしまったのです。
ラストは安吾先生の後ろ姿ー!!!
愛しかない!!!!
【坂口安吾の小説について】
安吾の純文学や幻想文学系の作品は1作だけ読んでも意味が分からないですが、エッセイを何作か読むと彼の思想が分かってくるので、小説もより楽しめると思います。そして坂口安吾の虜に…
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