劇場公開日 2020年10月31日

「大林の申し子」白痴 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大林の申し子

2021年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

誰もがこの映画を見て大林を想起したことは想像に難くない。しかし大林は時間軸では過去を空間軸では日本の具体的な地域を念頭に世界が構築されるのにたいして手塚は時間も空間も手塚真の頭のなかにのみ構築されていく。この点が見ているものを混乱に陥れる。今回は坂口安吾と言う具体的な作家の故郷、新潟と言う地名が辛うじて少し出るくらいで、そこに描かれる世界は三次元と言うよりまるで二次元の世界。もっと突っ込んだ言い方をすれば手塚の父、手塚治虫の描く戦争漫画における宝塚や大阪における異空間のようであると言っても過言ではない。

理解しがたく共鳴しにくいその空間は不思議とまた別の作品で見たくなる妙な癖を持つ。手塚真はこれからも迷うことなく作り続けてもらいたい作家のひとりである❗

2023年10月13日再見。★★★☆彡(3.5)☆評価アップ。手塚眞さんの講演会付であった点が大きい。新潟市秋葉区文化会館大ホール。

mark108hello