劇場公開日 2021年4月16日

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「【”勾玉。ガメラを憎む少女が育ててしまったモノ、そして融合。”第一作とのリンクも見事なシリーズ最終章。“シン・ガメラ”は希望しない。この三部作より面白いモノが出来るかどうか、不安を感じるからである。】」ガメラ3 邪神(イリス)覚醒 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”勾玉。ガメラを憎む少女が育ててしまったモノ、そして融合。”第一作とのリンクも見事なシリーズ最終章。“シン・ガメラ”は希望しない。この三部作より面白いモノが出来るかどうか、不安を感じるからである。】

2023年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー 今作は、怪獣ものあるあるの、“ところで、あの破戒されちゃったビルに居る人たちは大丈夫なの?”という至極当たり前だが、余りキチンと描かれて来なかった点に着目している点が斬新である。-

■世界中で大量同時発生した殺りく生命体・ギャオスが東京・渋谷上空に再び出現。
 これを追ってガメラも飛来。2大怪獣の激突で渋谷界隈は壊滅状態に。
 その頃、4年前のガメラとギャオスの戦いで両親を失った少女・綾奈は、謎の生物を奈良山中の祠の中で発見し、育て始める。

◆感想

・東京・渋谷と、奈良山中という全くかけ離れたところで、同時進行で物語が進む。

・そして、最初に記載したが”4年前のガメラとギャオスの戦いで両親を失った少女・綾奈”はガメラのせいで両親が死んだ事で、ガメラを憎みながら奈良で慣れない生活を送っているのである。
ー この点を軸にしてストーリーを展開して行く手法は、大変興味深い。ガメラは超古代の人達が産み出した人類の守護者であるのに、人によってはガメラを憎むという発想が斬新である。-

・少女がギャオスの卵から生み出されたモノを”イリス”と名付け育てるシーン。
ー 第一作でも重要なアイテムであった勾玉がここでも、重要な役割を果たしているのである。
  ”そんなものを育てちゃ駄目だよ!”-

・案の定、成長した”イリス”は処女の憎悪を糧に、ギャオスよりも邪悪な生き物になり、村人たちの体液を吸い、成長して行くのである。

<建造当時、多くの京都市民や一部の建築家から”棺桶”と酷評された京都駅内での”イリス”とガメラの戦いは少し切ない。
 ”イリス”の体内に融合された少女を、ガメラは”イリス”を斃したあとに、そっと取り出し、長峰真弓(中山忍)と草薙浅黄(藤谷文子)の前に置く。
 必死に人工蘇生する長峰。
 そして、生き返った少女は京都駅の壊滅的な状態を見て涙を流すのである。
 世界中からギャオスが飛来している事を知った日本政府は、攻撃目標をガメラからギャオスに変え(だから、遅いんだよ!)、満身創痍のガメラも自衛隊機と共にギャオスの群れに向かって飛んでいくのである。
 いやあ、このシリーズ、面白かったです。
 “シン・ガメラ”製作は希望しない。
 だって、この三部作より面白いモノが出来るかどうか、不安を感じるからである。>

NOBU
CBさんのコメント
2023年5月17日

> いやあ、このシリーズ、面白かったです。
全く、同感です。
怪獣映画は、演技じゃないんだ、ということを、このシリーズで、中山さん(忍)、藤谷さん(文子)の二大巨頭に、あらためて教えてもらいました。(笑)

CB