「オウム事件とはなんだったのか」「A」 映画太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
オウム事件とはなんだったのか
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90年代中期に日本国内で起こったオウム真理教による無差別テロ事件。教団幹部の逮捕後、教団に対する報道が激化するなか、教団広報として対応する荒木浩氏をメインに教団を内部から記録したドキュメンタリー映画である。当時はその衝撃的な事件と出家信者たちの独特な生活と思想に、一般人とは違う何か異質さを感じたものだった。事件から数十年たって、あの異質さとはなんだったのかを改めて考えている。
作品を観ている観客は教団内部からマスコミや公安、世間の人々を見るという視点を与えられる。森達也監督は観客にその視点であなたはどう思ったのか問うている。私は事件に対する過去の印象が一変したとは言わない。しかし、足りなかった大事な情報が補足されたと感じた。国家、宗教、企業、それら組織の執行部が起こした事件と関与していない末端の個人の関係。責任の取り方、身の処し方について、これはまさに現在起こっている不祥事に纏わる問題でもある
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