「荒木浩さん30年後何してますか?あれから30年。AGAMAI」「A」 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
荒木浩さん30年後何してますか?あれから30年。AGAMAI
内容は、1995年に起きた地下鉄サリン事件の加害者宗教教団オウム真理教の事件後に、広報副部長・荒木浩氏に寄り添い教団内部から外部を覗き見る構造で最終的に一般的な疑問を投げかける話。印象的な台詞は『教団が地下鉄サリン事件に関わった事を今ならどう思うか?』との問いに『それを認めれば全て認めて信仰が揺らぐ・・・』最後のモリタツの問いに対する煩悶の無言が、認めたくない感情を表している面白い纏め方だなと感じた。あれだけ排他的な教団に入り込み信頼関係を築けるコミュニケーション能力の高さを良く自覚しているなと感心した。印象的な局面では『やましぃ事しているのですか?×8(警察)』からの外掛け浴びせ倒しで一本✋直ぐに自分は被害者であるとの猿芝居。本当に笑える。客観的に見れば滑稽としか言いようがない演技に恐ろしさすら覚えたが、当たり前に見る警察の対応に悲壮感すら覚えたので印象に残った。印象的な情景は、荒木浩に密着した映像で、体重の増減が激しく、体調管理が行き届かず水虫など精神衛生上良くない事が痛々しい程分かり教団の教えの環境が気に掛かった。モリツネの質問で30年後どうなってると思いますか?との答えが無言で、約25年後のドキュメンタリー映画アガナイの本人見ると痩せ衰えて目には正気なく教団に帰依している姿を見れたので時間だけ過ぎた今何を感じているのかにも気にかかる。結果、ドキュメンタリーと言いつつも主観的に作られ、主観によって見られる認識による評価は決して真実の多角的様相すら見えないのだと感じた。このドキュメンタリーに関わるもう一人が『ゆきゆきて神軍』の監督。それから3年後の話『A2』も見てみようと思う。当時自分は19歳よく覚えていたので昔を懐かしんでみた。マハポーシャの看板が見えたのは少し嬉しかった。