「目線、視座に共感」「A」 redirさんの映画レビュー(感想・評価)
目線、視座に共感
安倍晋三銃撃事件、統一教会もろもろの騒動の中で当然にも
オウムのことも語られる2022年夏、なんとなく敬遠してみていなかった森監督のAを、今こそみるべきかなと思い鑑賞。落ち着いた様子で言葉も映像も淡々と主にオウム広報副部長と言う肩書きの荒木浩さんという若者を追う。淡々と、としか言いようがない、そこに監督、スタッフの誠実さ、映画をとる目的意識、ブレない目線、高みに立つことなく下手にもでない絶妙な視座にさすがと感じいる。映画で被写体となっているマスコミたちのゴミぶり、ゲスぶりとの対比。マスコミはこれをみて勉強したらよいと思う。警察のゲスぶりもバッチリ撮ってある。
ずいぶん昔のことでいろいろ忘れていたけど、オウム真理教選挙にもでていたな、とか、破防法!!破防法持ち出してきたら共闘する人らがいたな、とか、千代田健二さんの警察の横暴と戦う方法伝授とか、そのくだりの森監督の逡巡と決断とか凄いな。
ほんまオウムのせいで破防法とか迷惑!堪忍!みたいな気持ちもあったな、とか。
若い時、統一教会、現理研はほんとに恐怖を感じた。年齢もあるだろうがオウムのことはなんとも思わなかった。過去の記憶から今このどーしようもない最低国日本の現状までさまざまな思いが去来した。
オウム被害者の家族会のお父さんが彼やオウムの信者に家族に電話を!と優しく諭していたシーン、家族を語る荒木氏の様子から、オウムを擁護したり加担する気持ちも立場もないが、統一教会二世問題とは全く次元の違う話でこの人らは自分でおそらく好きできている人たち、合同結婚式の結果生を受けた二世の方たちの方が人権という側面からだけでもとてつもなく大きい、結果としてオウムに気取られて、愚かにも、いや、自民党政権にオウムさえも利用されて(破防法然りだが)救済すべきが救済されず、間違いを是正したり、犯罪者集団(統一教会)に政治がつまり国民が利用されたりしたことの後悔。それが被害者の会のお父さんの言葉や振る舞い、一橋大学福田雅章教授のゼミなどで、予見されていた訳で悔しみしかない。
あくまでも今の状況でみた感想。しかし視点がぶれずよくできている。さまざまな問題提起となるし貴重な記録だと思う。
オウムには加担も加勢も共感もなにもない、しかし人の命を奪うことをしたことはだめだ、洗脳とかとは違うと思う確信レベルの殺人とかはだめだ。気持ち悪いし許せない。
統一教会のおっさんや自民党のオッさんなどと比べたら語彙もありきちんとした話も正直な気持ちも話せるような賢い人らがなーんでオウムのあんなのを尊師とか言って敬いこの宗教みたいものを信じていることは全く謎。人の自由だけどね、人に危害を加えたり統一教会みたいな洗脳収奪とかしなければね、、、、
あくまで今ならではの感想、メモ書き。