「荒木浩という人と、マスコミと警察・・・」「A」 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
荒木浩という人と、マスコミと警察・・・
オウムにハマりそうな雰囲気が非常に伝わってきたし、信者はごく普通の若者というところがよく分かる。同時に、そこに潜む異常性や危うさがひしひしと伝わってくるので、相当見入った。
オウムの中によくもまああれほどまでに溶け込んでいるものだと感心するばかり。あれほどの事件を引き起こしたオウムという存在を否定することは必然で、マスコミが暴力的にカメラを向ける気持ちも分からないでもない。しかし、森監督は固定観念で否定することなくカメラを向けていて、オウムの内情や状況が比較的よく理解できると、いかにマスコミや警察が強権をふるって世の中の情報を作り出そうとしているのかがよく分かる。
オウムは決して肯定できないけれど、あんな独自のコミュニティーに参加できる快楽のようなところを感じてしまった自分がいた。
荒木広報部長を見ていると、本当に魅力的な人物なんだけど、最終的に尊師に帰結するところが非常に疑問で解決できない難問のように感じた。
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