「A」

劇場公開日:1998年

解説

オウム真理教の広報部副部長、Aこと荒木浩を中心に、オウム事件以後の彼らを追った長篇ドキュメンタリー。TBS問題を契機に封印されるはずだった150時間にも及ぶ素材を作品にまとめた。監督はフリーのテレビディレクター、森達也。家庭用デジタルカメラを手に様々なオウムの施設に足を運び荒木浩を追った。森と共に撮影/編集の補助を担当し、製作を手がけたのは「部屋 THE ROOM」を製作した安岡卓治。音楽は朴保バンドの朴保。キネコ。16ミリ。

1998年製作/135分/日本
配給:安岡フィルム
劇場公開日:1998年

あらすじ

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

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スタッフ・キャスト

監督
森達也
製作
安岡卓治
撮影
森達也
安岡卓治
音楽
朴保
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映画レビュー

4.0 記録を残してほしいと語る彼にグッときた

2025年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

オウム事件が起きた後のドキュメンタリー映画。
上映当時、話題になっていた。自分はその時は映画を見るのが好きじゃなかったのでまったく鑑賞したい気持ちはなかった。ただ「なんかおっかなそうだな」とだけ思っていた。どこをみているのかわからない目と言葉の応酬が続くような心理的恐怖映像が流れ続けるのではないかと密かに怯えていたんだと思う。
amazon primeで視聴。オウム真理教の広報担当アラキさんを中心人物に据えて映像が進む。理性的に語る姿はまさしく広報担当という感じで、かつて勝手に想像していたような言葉でのやりとり不可の相手では決してなかった。マスコミとの対応。事前に取材申請をもらったもらってない、などで記者とやり取りをする場面があった。なにがどうなってここ(取材可否をこの場で決めないとならない状況)になっているのかがわからないまま、ただ双方の言葉を聞き、どちらの主張に重きをもてばよいかがわからなくなった。こういった感想は幾度もこの中で出てくる。
撮影者から取材対象者への質問の中でいくつか宗教への信心を問いかける質問があり、回答者それぞれに筋が通った回答をしている。その理屈は不思議に感じる。どこかで何かを突破して、その理屈が罷り通る世界観の中にいるのだろう。
自分たちが取材され・会見した映像がTVで流れるのを見ながら「おお」「かっこいいよ」とか話し合っている様子をみてなんて普通なんだろう。と思った。
その後、警察官とのやりとりで、映像的には明らかな警察側からの不当な逮捕の流れを作った場面があった。それに続いて謝罪要求、家族への連絡要求、訴えが続く。
言葉は正確に覚えていないのだけど、終盤アラキさんが「認めたら、一切を認めることになる。」という趣旨の発言をした。殺人、サリン事件、欲の肯定、過去のオウムの宗旨外の人の理屈を飲み込んだ時に、一切合切が崩れていく。そういう理屈が崩れるという意味での危うさが全体を通してずっと感じていた。
途中、アラキさんが記録を残して、誰かがどう思うか、ということを語る場面があった。なぜだかこの場面に強烈に引き込まれた。まさしく本心を吐露している瞬間ではないか。つまり、「何が正しいのか」というのを、交渉的に使う言葉ではなく自分自身の本心として、またその自分自身が持った問いを解決してほしいと他者へ願う救いの言葉だったのではな以下と思った。

いずれにしても。いくつかの断片的な映像の流れによって感じたことであり、依然として何がなんなのか。という疑問は溶けることはない。
A2完全版もあるということなので、今度はそれもみてみたいと思う。

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まるのすけ

4.0 問題作

2025年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ほいす

2.0 マス「ゴミ」とか平気で言う人たちに。

2025年5月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

Aというタイトルは、当然オウムの頭文字なのだろうが、
a=1人、という意味にも感じた。

ある日突然テロリストの信者になったら、加害者の家族になったら、被害者の家族になったら、その他大勢ではなく、焦点はその個人の生き様だ。側から見れば少々滑稽ではあるが、過激派マスコミも、演技派警察も、何か信じるものがあってああして生きているのだ。
多分。

各々が、与えられた命を全うするために生きている。叩くのは容易だが、そこにいる個人の尊厳を蔑ろにしてはならない。ならなかった。
当時私はどう感じていただろうと、一度立ち止まる良い機会になった。

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や

3.5 BOX東中野で鑑賞

2024年8月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

確かにオウムは信用出来ないが、荒木さんは信用出来ると思える。

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ムーラン

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