SPACYのレビュー・感想・評価
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動くイメージとはこんなにも面白いものなのか
日本を代表する実験映像作家の代表作をようやく観る機会に恵まれた。映像は写真の連続によって生成されるが、この作品はスチール写真をさらに写真で連続撮影したもので、映像が動くということそのものへの驚きと、異空間へ誘う映像の魔術的感覚が支配する。写真の一枚いちまいに入りこむかのようなフレーム内フレームの連続で、途切れなく世界の奥深くへ入り込んで、出られなくなるような感覚に陥る。
映画・映像とは現実を客観的に切り取るものだというが、この作品はあきらかに現実とは異なる別次元の異空間を生み出している。これはピクシレーションによるアニメーションというべきなのか、それとも実写でもアニメーションでもない別の何かなのか。とにかく「動くイメージ」としか言いようのない何かだった。純粋な動くイメージの世界はこんなにも面白いものなのかと感嘆させられた。映画や映像とは何かを考える上でも重要な作品だと思う。
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