月の影法師 消えゆく能面

劇場公開日:

解説

小沢不二夫のニッポン放送連続ドラマ「月の影法師」の映画化で、梅谷卓司が脚色、「白蛇小町」の弘津三男が監督した時代劇。撮影は「江戸は青空」の本多省三。「人肌孔雀」の梅若正二が主演するほか、三田登喜子・岸正子・舟木洋一・千葉敏郎が出演している。

1958年製作/57分/日本
配給:大映
劇場公開日:1958年8月31日

ストーリー

名人・夜叉王の手になる二つの面--小面と般若は、一所に寄るとき天下の騒乱を招くと伝えられていた。徳川家康は、天下平定後、和睦のしるしに、小面を伊達藩に、般若を島津藩に遣した。時は流れ家光の治下--秘かに島津、伊達両家の取潰しをめぐらす幕府は、近く催される伊達藩恒例の能の会で面を奪い一挙に事を運ばんと剣客長倉典膳を正式使者に、合せて隠密河上虎之助を仙台に放った。伊達藩の能の会は長倉典膳、その配下犬山半蔵列席のもとに開かれ、小面をかぶった多生成清と白木鉄之進によって、松風の舞いが見事に行われた。会が終ったころ島津藩の三世仙之助と名乗る男が多生邸を訪れ、小面を拝見したいと申出たが、成清の妻深雪に拒絶された。その夜、曲者が成清を斬り小面を奪って遁走した。疑いは仙之助にかかった。鉄之進は忠宗の命を受け、女中お才と仙之助追及の旅に出た。深雪と、その娘美乃の親子も仇と秘宝を求めて国許を立った。小面を奪ったのは実は隠密河上虎之助で、今しも奥州街道を遁走の途中であった。同じ街道には能面紛失の口止めに伊達藩から千両箱を貰って引揚げる典膳の一行、これを追う三世仙之助、それに鉄之進、お才、さらに能面を狙う謎の男疾風小僧などが前後していた。やがて鉄之進は仙之助を発見、能面の返却を迫ったが、身に覚えはなく、話を聞いて美乃らのために協力を誓った。一方、虎之助は持っていた小面を疾風小僧に奪われたが、太郎吉という通りがかりの男へ。小面を失った疾風小僧は、親分の狐姫に叱咤され再び探索の旅に。しかし小面は太郎吉の手から、また虎之助の手へ。さらに虎之助の不注意から美乃の手に。そして美乃と仙之助は会うことかできた。が、このとき仙之助は、父の三世真澄が殺され般若の面も典膳一味に奪われた、と美乃から聞いて驚いた。しかも彼は虎之助に発見された末、追いつめられて左肩を切られ面を失ってしまった。水車小屋に逃れる仙之助に向って典膳の短銃が乱射され、小屋は火の海と化した。

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