飢えた牙
劇場公開日:1960年2月10日
解説
「俺は淋しいんだ」の大川久男の脚本を、「夜霧の空港」の堀池清が監督したアクション・ドラマ。「刑事物語 東京の迷路」の中尾利太郎が撮影した。
1960年製作/47分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年2月10日
ストーリー
三郎、四郎の兄弟の父親は横浜の税関吏だったが、密輸団の仲間と疑われ自殺した。しかし、兄弟は父が何者かに殺されたものと信じ復讐を誓っていた。兄弟は父の上司だった桑島の世話を受けていた。四郎は税関吏となり、今横浜税関に転勤して来た。しかし、横浜にとどまっていた三郎は、密輸団の一味になりさがっていた。乾分の松三を連れて、外国時計の取引に出かけた。帰りぎわ、警戒網にひっかかり松三はトラックにはね飛ばされて死んだ。沖津商事の社長沖津は三郎を叱責、桑島に電話した。桑島は密輸団の黒幕だったのだ。四郎を横浜へ転勤させたのも、四郎を利用しようとする桑島の策謀だった。四郎は似顔絵描きの小林に声をかけられ、死んだ松三の身許は伊勢佐木町のドル買いを洗えばいいと耳打ちされた。三郎は沖津から麻薬の運搬を指令されていた。しかし、四郎と口論してから、彼は仕事に気が進まなくなっていた。恋人のはるみも、足を洗って遠くで一緒に暮そうと言った。四郎が税関をやめて三郎と一緒に暮すと言い出した。急に千葉税関に転勤を命じられたという。嘆く四郎を見、三郎は怒った。弟から聞いた情報と称し、大きな仕事を沖津に持ちこんだ。罠に桑島は乗ってきた。四郎は実は税関吏の小林から「今夜大きな取引があるらしい。やってみないか」と励まされた。深夜の倉庫街、厳重な警戒網を布いた四郎らの眼前で大がかりな運搬が行われていた。密輸容疑で逮捕すると叫ぶ四郎に向って弾が飛んだ。「親父を殺したのは桑島だったんだ」と絶叫する三郎に、乾分たちの拳銃弾が乱れ飛んだ。三郎を抱きおこす四郎に「証拠はここに……お前が勝ったんだ」と笑いながら三郎は崩れた。