海外特派員のレビュー・感想・評価
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これは第一級のクライム・サスペンスだ。
第二次大戦直前の1939年。新聞記者ジョーンズは、渡欧の上で、オランダの外交官ヴァン・メアへの取材を命じられる。彼は現地で、万国平和党党首フィッシャーと、その娘キャロルに出会う。
ヴァン・メアは、銃殺される。ジョーンズは、キャロルの友人で記者のフォリオットに出会い、真相を探し求める。ジョーンズとキャロルは恋に落ちるのだが、、、。
政治的なメッセージを含んでるが、全く気にしなくても、そういったことが分からない方でも、すんなりと最後まで、娯楽映画として楽しめる。行き違いも巧みだし、ロマンスを絡めた、第一級のサスペンスだ。
国際的な謀略を究明する記者を描いた、クライム・サスペンス。全編を通じて、カラッとした明るさがある。緊張感があり、胸躍るエピソードの連続で、コミックリリーフも交え、テンポの速さも相まって、非常に軽快なサスペンスに仕上がっている。
アメリカ時代の最初の大傑作
英国時代の最後の傑作「バルカン超特急」から渡米第一作「レベッカ」は大物プロヂューサーの制限でヒッチらしさは希薄でしたが、この作品は好き放題に作った結果さすがのヒッチ節全開、且つイギリス時代にはなかったいかにもアメリカ的なドライな仕上がりです。
傘の波、風車小屋のスリラー、海上の漂流など極めつけのシーンも満載です
【現代に観ると、映像的には突っ込み処満載だが、当時の状況を考えると風車小屋のシーンや飛行機の墜落シーン、激しいカーチェイスなど見どころ満載作品作品である。】
ー 第2次世界大戦前夜のヨーロッパを舞台に、ある新聞記者の活躍を描く傑作サスペンス。ー
■1976年の映画が観れる僥倖感を感じつつ、矢張り今から30年以上前の映画を配信で見れる有難さに感じ居る。
多分、当時も多数の映画が公開されたのであろうが、配信映画は一定レベルの作品しか公開しない。
但し、配信映画のインパクトと、映画館で観る映画の感想は大いに違う事は記したい。
□第2次世界大戦直前のヨーロッパ。アメリカ人記者・ジョニーは、オランダの政治家、ヴァン・メアの取材を試みるが、彼はアムステルダムで突如暗殺される。
犯人を追うジョニーは、追跡先の風車小屋で殺されたはずのヴァン・メアを発見する。
◆感想
・二転三転するストーリー展開と、アメリカ人記者・ジョニーとと平和団体の代表、フィッシャーの娘キャロルの恋仲などはナカナカである。
・彼らが乗った船が嵐の中、翻弄される等の姿は、見応えがある。
<今作を現代に観ると、イロイロと突っ込みたくなるが、今作を始めとした数々のアルフレッド・ヒッチコック作品有りて、現代の数々の作品がある事を考えると、意義ある作品であると思います。>
ゲイリー・クーパーに地団駄を踏ませた傑作‼️
わが敬愛するヒッチコック監督がアカデミー作品賞を受賞した1940年の「レベッカ」と同年に発表したサスペンススリラーの超傑作‼️私は「レベッカ」よりも今作の方がダンゼン好きです‼️ヒッチコックらしいですよね、今作の方が‼️第二次大戦直前のアムステルダムで、アメリカの新聞記者がインタビューを取った直後、オランダの大物政治家が暗殺される。この素晴らしい暗殺シーン‼️雨傘の波を逃げる犯人‼️犯人を追う主人公が市電に邪魔されるまではサスペンス映画史に残る名場面‼️その後の車での追跡も現代のカーアクションの先駆け‼️「ワイスピ」よ、今作に感謝しなさい‼️風向きと反対に動く風車、風車小屋には殺されたはずの政治家が‼️ちょっと弱々しい政治家役の俳優さんが可愛らしい‼️必見の見せ場がこれでもかと連発され、ストーリー展開も二転三転‼️ホントにヒッチコック監督のサスペンス手腕は素晴らしい‼️特に高い協会から主人公をつき落とそうとする殺し屋が、ひらいた手をカメラに向けて突き出すと、画面は教会全景の描写となり、一人の男が落下していく‼️何というカメラ話術‼️そして旅客機が墜落して海中に突っ込み、コクピットのガラスが割れて海水が流れ込むまでを機内からのワンショットで収める‼️なんてワクワクする映像処理‼️面白いサスペンス映画はこうやって作るんだよとヒッチコック監督が教えてくれてるような、教科書のような映画‼️ラストの主人公の演説シーンはプロパガンダ精神溢れるもので賛否ありそうですが、第二次大戦の顛末、歴史の顛末を見据えた場合、正当なメッセージだったと思います‼️本来、主演はゲイリー・クーパーだったらしいのですが、出演を断った彼が後に出来た映画を観て、地団駄を踏んだ話は有名です‼️
スリルとサスペンス、ユーモアと美女にスペクタル要素、そして米国民へのメッセージ
1940公開のヒッチコック監督のハリウッド第二作。
スリルとサスペンスにユーモアと美女と、英国時代の良い点満載のヒッチコッックらしい、大戦直前時欧州が舞台の映画。
主人公ジョエル・マクリーがオランダで殺人犯乗った車を追いかけるも、車が忽然と消えるシチュエーションは流石。犯人グループ潜む水車小屋の中への潜入し、人数多く見つかりそうなスリルの連続。コートが水車歯車に巻き込まれるて大変も何とか脱いで危機回避、コートもちゃっかり回収するユーモア。
英国新聞記者ジョージ・サンダースが黒幕の娘ヒロインのラレイン・デイに命狙われた主人公とのケンブリッジ避難を仕掛ける展開も、ユニークで面白かった。娘の誘拐と黒幕に思わせての犯罪の白状を迫る目的。無鉄砲な主人公と対照的に、英国人サンダースが知恵に満ちた良い味を出していた。
無名だったらしいライアン・デイの美貌にはびっくり。主人公とヒロインのインスタント恋愛のシナリオには相当の無理があるが、それを払拭するに十分のお嬢様的な若さに満ちた美しさであった。
ラスト、黒幕に主人公とヒロインまで乗った飛行機がドイツ艦船に誤狙撃されて墜落する展開は、予想外だった。海原に放り出されあわや全滅というスペクタル映画の要素まで入れ込んできて、観てる方は大満足。米国艦船に助けられるのだが、本社に電話をかけっぱなしで、艦長との会話及び意図察したサンダースの説明的コメントを流して、スクープ情報を伝える展開はユーモアも有り、ヒッチコックらしいアイデアで感心させられた。
最後の爆撃されてる中でのロンドンからの米国民向けの生中継での、”米国は世界に残る最後の光だ“のメッセージは、ヒッチコックの英国民としての本音ではあるが、米国民へのおべんちゃら性は少々感じた。実際、米国の開戦は、本映画公開の翌年1941年末まで待たねばいけなかったことを再認識。
ハリウッドのイギリス人
「いいやつだけどパーティーに呼びたくなるやつじゃない」
ハワードヒューズ(ハワードホークスだったかもしれない)が、ハリウッド進出をはたしたアルフレッドヒッチコックをパーティーに招待した際、かれについてそんな感想を残したという逸話が残っている。
映画オタクだったヒッチコックにとっては、ハリウッドのどんちゃん騒ぎに参加して、大きな身体を持て余すより、独りで映画の構想を練っているほうがよっぽど楽しかったに違いない。
この発言は一般にヒッチコックの人嫌いを象徴するエピソードとして、世に知られている。ただし、ヒッチコック当人には願ったりな風聞だった。人々にヒッチコックが「人嫌い」と周知されれば、面倒な交際を回避できるからだ。
言うまでもないが、人付き合いを煩わしいと思っている多くの人々にとって、新型コロナウィルス禍には僥倖の側面がある。
経済的な打撃から免れている職種・稼業ならば、パンデミックが都合のいいことずくめだった可能性さえある。
おそらく「飲みに誘われたくない」は、それを苦手とする庶民のポピュラーな悩みであると思う。その悩みが新型コロナウィルスによってなくなった。
平常時には、なんとか飲み会嫌いのキャラクターを認めさせるような、涙ぐましい小細工をしたこともある。が、飲みには誘われたくはないものの、変な奴とか、排他的な印象は避けたい。仲間はずれは困るわけ。である。
一定の社会性を認知させつつ、飲みにだけは誘われない、そんな人物を目指していた──のである。それは特殊な渡世術だろうか?きっと多数、心当たりがあることに違いない。「パーティーに呼びたくなるやつ」ではなくても「いいやつ」ではありたかったのだ。
ヒッチコックのアメリカ時代はレベッカと本作によって幕をあける。
当時、イギリスからやってきた気鋭の作家、鳴り物入りでデビューしたヒッチコックに、ハリウッドは興味津津だった。とうぜんパーティに招かれるような歓待もあっただろう。だけど、そんなやつじゃなかった──が冒頭で紹介したエピソードである。
パーティーに呼びたくなるやつ──ではなかったが、そのあとヒッチコックの快進撃は知っての通り。である。パーティーの人気者にはなれなくても、映画の歴史に名を残した。
こんにちでは、ヒッチコックが、鷹揚な楽しい太った小父さん──ではなかったことが、知られている。ひねくれた、嫉妬深い天才だった。
海外特派員が、あざといほどのアメリカ賛歌になっているのは、ハリウッドでの活動をスタートさせたヒッチコックの野望──ここ(ハリウッド)で一旗揚げてやるぞというギラギラした野心──を物語っている。
位置的に地味な作だが、手堅くて陽気。教訓的で国策映画のようでもあった。
ところで。
小市民の漠然とした不安だが、禍が収束し平常時に戻ったとき、顔を隠せる(なにかと便利な)マスクをしないで外を歩けるだろうか?
ふたたび社交的な生活をやっていけるのだろうか?
近い将来、多くの人々が「いいやつだけどまだウィルス禍下にいるようなやつ」というストレス障害を抱えてしまうような気がしている。
アメリカの戦争参加を促すプロパガンダ映画
1940年8月16日にアメリカで公開された。
大雑把な時系列は以下。
1939年9月3日にイギリスがドイツに宣戦布告。
1940年9月7日~1941年5月10日ドイツによるロンドン大空襲が。
1941年12月11日、日本による真珠湾攻撃に伴ってドイツがアメリカに宣戦布告。
イギリスがドイツに押されている状況でイギリス出身のヒッチコックが監督。
ルーズベルト大統領の写真が飾られ、エンディングでは主人公がアメリカの戦争参加の演説を行い、アメリカ国家まで流れる。完全なプロパガンダ映画。
(ドイツが勝っていた場合はヒッチコックは映画界から追放されていたであろう。)
ナチスドイツを悪魔化しておらず、そのスパイも愛国者として扱っている。
上階の窓から飛び降りたジョージ・サンダース(ffで始まる人)がそのまま入り口に入っていくシーン、荒れ狂う海に墜落した飛行機から脱出するシーンはヒッチコック的見どころ。
主人公のジョエル・マクリーをジョージ・サンダースが完全に食ってしまっている。
87点
ヒョット後ろから
1940年の作品なのにと言ってしまえば巨匠ヒチコックに失礼だが、ラストのスペクタクルが素晴らしい。ただ、ヒチコックの怖さはここではなく、なんのこともないショットに潜む“ヒョット後ろから押される恐ろしさ”だ。
さて、この作品のどこに監督が写っているかは見逃したが、きっとあそこだっただろうと密かに一人ニヤついている。
ヒッチコックの戦争映画
物語のあらましは中盤でほぼ分かるので、後半は犯人を追いつめる話になる。
墜落シーンなど、とにかくお金のかかっていそうな映画だった。
最初は反戦映画かなと思って見ていたら最後、世界中が暗闇だ、アメリカよ、灯を絶やすな、とロンドンからハバストックが参戦を呼びかけるところで終わったのにはびっくりした。
ヒッチコック監督作品
ジョエルマクリー扮するニューヨークグローブ新聞記者ジョニージョーンズは、社長の意向でヨーロッパの海外特派員に指名された。社長から欧州情勢の要であるオランダの重鎮ヴァンメアの考え方を探れと指示された。また、これからハバストックを名乗れと言われた。しかし、アルバートバッサーマン扮するそのヴァンメアは殺されてしまった。ハバストックは犯人を追って来た所、風車の動きで犯人が隠れていると確信したので風車の中に忍び込んだ。何とそこには殺されてたはずのヴァンメアがいた。ハバストックは、いきなりとんでもない場面に遭遇してしまった。ハバストックは、風車を抜け出し警察を連れて戻ったが、もぬけの殻だった。果たしてハバストックとヴァンメアはどうなるのか? この映画を観るのは2回目だが、流石ヒッチコックだね。なかなか楽しめたよ。
よかった
第二次世界大戦前夜のドラマを開戦直後に公開していて当時見た人たちはさぞ生々しい感じを味わった事だろう。半分くらい見て寝て一日開けて続きを見たので、ちょっと分からなくなってしまったけどけっこう面白かった。飛行機の墜落シーンは迫力があったのだけど、実際はあんなものではなくもっと凄そう。
誰が味方で誰が敵かアホな私には分かりにくく、内容もあまりドキドキ感...
誰が味方で誰が敵かアホな私には分かりにくく、内容もあまりドキドキ感がなかった。主人公はじめ登場人物の魅力も私的にはなかったかな。
しかし場面場面の面白さはさすが。暗殺、追跡、風車の場面。そして飛行機✈️墜落。よくあんな映像がCGのない時代に撮れたものだ。驚かされる。ただ、あんなの絶対生き残れるはずはない(笑)
天才監督ならではの、
カッコイイシークエンスが満載。傘の森での暗殺。カーチェイス。風車。高層ビルから人が落ちる。ホテルから逃げる。飛行機が落ちる。ラストの演説。
光と陰を駆使した絵作り。カメラワークの巧みさ。
ストーリ展開はドタバタさとモタモタ感があり、ヒッチコック後年の数々の傑作のような「完璧!」って感じではない。
開戦前夜の気配も感じられる娯楽映画
米国特派員 ジョーンズ(マクリー)の活躍物語だが、
後半、フォリオット役でジョージ・サンダースも参戦
実直なジョーンズに対し、ちょっと策略を巡らす
フォリオットは、彼にピッタリ
サンダースも活躍すると 映画はがぜん、面白くなる
こんな ハツラツ振りは、珍しいかも…
暗殺場所(地上) →
風車小屋/ホテル/展望台/監禁ビル(高所) →
旅客機(空中) →→→→→ 墜落
と、事件現場や攻防場所が どんどん上昇して、
急降下するのも面白い
「風と共に去りぬ」で大成功した
プロダクションデザイナー、メンジーズの功績も
かなりありそう
フィッシャーが 単なる悪役でなく「祖国」を思う人物、として語られているのも 娯楽映画に徹していて、後味は悪くない
ヒッチコックの才能を 実感出来る映画
オファーを断った、クーパーは大失敗でしたね
でも、ジョエル・マクリー、適役だったと思います
時代を切り取るということ
80年も前の映画なので今どきの凝った出来のサスペンスと比べるのは失礼千万、サスペンスの帝王と称されるヒッチコック監督40歳、ハリウッド転身2作目となる当時珍しい特撮も盛り込んだ力作である。
事件の焦点となるオランダ・ベルギー講和条約の機密条項については明かされないままで気になった。時期的にみればオランダの中立宣言表明かもしれないが、暗示されるのは第二次大戦のきっかけとなった独軍のポーランド侵攻の鍵となった独ソ不可侵条約(ポーランド分割統治の密約)だろう。事実関係は別として諜報戦が繰り広げられていたことは想像に難くない。1940年公開(開戦は39年)というからほぼリアルタイムにサスペンス手法でここまで踏み込んだ映画を作ったということに驚愕する。最後のラジオのシーンは伝説のCBS記者エド・マローを連想させる、これも時代背景だろう。
完璧!超傑作!そして隠されたメッセージ
名作中の名作
ヒッチコックは本当に偉大です
ほんの1分たりと観客の興味を逸らさせないプロの技を堪能できます
物語は1939年夏、第二次世界大戦が始まる直前から始まります
米国人記者が戦争前夜のスパイ合戦に巻き込まれてというお話
もちろんラブロマンスを絡めます
最高の娯楽サスペンス
クライマックスの旅客機の遭難シーンは現代でもなかなかお目にかからない程の迫力
そう確かに徹頭徹尾娯楽大作です
しかしバルカン超特急で密かに政治的メッセージを忍ばせたように、本作でもヒッチコックはシリアスなテーマを潜ませています
それはマスコミの使命とは何かです
主人公は自分の使命をこう言います
アメリカの読者の目となり耳となって真実を伝えることだ
21世紀の我々にとっては切実なテーマです
なにしろ現代のマスコミは本作での悪役のように
平和を口にしながら自国と国民を欺向こうとしているのを目撃しているからです
フェイクニュースを日常的に使い、何が真実か見えなくしている世界に我々は今住んでいるからです
初めはナンパに精をだす適当な仕事ぶりの記者が、いつしか自国とその国民への責任に目覚め、記者の本分を果たす一流記者に変貌している
本作はその成長物語でありました
自分勝手な思想信条で自国と国民を裏切るような記者は、本作に登場するスパイそのものでしょう
マスコミが健全だからこそファシズムに勝利出来るのだとのヒッチコックのメッセージは現代でこそ重要性を増しています
本作はその意味でも永遠に生命を持つ作品といえるでしょう
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