真珠夫人 前篇

劇場公開日:

解説

原作は菊池寛の長篇小説。「羅生門」に次いで、大映と映画芸術協会の本木莊二郎との共同製作々品。脚色・監督は、やはり映画芸術協会の山本嘉次郎の、「脱獄」に次ぐもの。美術は、「羅生門」の松山崇が担当している。主演は、「春の潮」「いつの日君帰る」の高峰三枝子、「山のかなたに」「暁の追跡」の池部良、「拳銃の前に立つ母」でデビューその後「指名犯人」に出ている春日俊二「海峡の鮫」の二本柳寛、それに、小杉勇、星美千子、清水将夫などが助演している。

1950年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1950年10月21日

ストーリー

〔前篇処女の巻〕清貧の老政客唐沢光徳のひとり娘瑠璃子は父の友人元子爵杉野の息子と恋仲であったが、高利貸荘田の家の新築祝いに招かれ、その成金趣味の悪口を直也と話し合っているのを荘田に立聞きされその恨みを買った。荘田は復讐のため、直也の父を介して、唐沢へ瑠璃子を自分の後妻に求めた。そして杉野から断られると、借金の多い唐沢の借用証を買い占めて、尚かつトリックで唐沢を横領罪に陥れ、瑠璃子との結婚を迫るのだった。直也と瑠璃子は馳け落ちをしようとするが、唐沢が自殺を計ったためそれも果せず、瑠璃子はついに荘田へ嫁いだ。しかし初夜に瑠璃子の父が倒れたため、彼女は荘田から純潔を守ることが出来た。その後瑠璃子は荘田と戦いながらその身を守ったので、ある暴風雨の夜、葉山の別荘で瑠璃子を襲い、自分の先妻の生んだ知的障害者の息子に組み敷かれて、その衝撃から荘田が死んでしまったとき、瑠璃子は莫大な遺産を抱え、処女のままの未亡人としてあとに残されたのであった。しかし直也は、彼女の純潔を信じないで、自分との約束を破って荘田に嫁いだことを激しくなじって去ってしまった。そのため瑠璃子の人生観は一変して、真珠夫人と呼ばれながら、未亡人の名の下に処女の肉体を秘め、次から次へと変態的な恋愛巡礼が始まったのだった。

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