のど自慢三羽烏
劇場公開日:1951年11月16日
解説
「炎の肌」のシナリオを書いた八住利雄の原作で、「伊豆物語」の館岡謙之助が脚色をしている。「母は嘆かず」の渡辺邦男の監督、「歌う野球小僧」の渡辺孝が撮影に当っている。出演者は「ホープさん」の小林桂樹、「東京悲歌」の沢村晶子、それに花菱アチャコ、清川虹子、吉川英蘭、霧立のぼるなどで、コロンビア専属の久保幸江、近江俊郎、奈良光枝、鶴田六郎などが特別出演している。
1951年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1951年11月16日
ストーリー
京都の南川商会の社長雄一郎は、軽い脳溢血で病床にあったとき、ふとラジオの放送でのど自慢に出ている平石早苗の名をきいておどろいた。早苗は雄一郎のかくし子で、出入の職人平石重兵衛に養女として育てさした子であった。その後妻保子との間に子供がなく養子にした浩は、家業をきらって歌手になるといい、家出していた。雄一郎は重兵衛をよんで早苗の安否をきくと同時に浩の行方を探すことをたのんだが、おどろいたことに、ダンスホールの歌手をする早苗と艶歌師になった浩とは相思の間柄だった。重兵衛は浩の行方を主家へ知らせると共に、早苗の事が知れては主家の大事と、二人の間を裂くことに苦心した。早苗は浩が去ってしまって心配していた折、のど自慢の京都放送に当選した浩の声をきいてとび立つ思いで京都へ訪ねて行くが、保子に冷く追いかえされた。早苗の打ちしおれた様子に重兵衛ははじて自分の間違いを悟り、浩を京都から呼んでやった。やけ酒からとんだあやまちの淵におちかけた早苗も危く救われ、ひょんな事でのど自慢の一人萬才に当選した重兵衛をかこんで、早苗、浩も心明るく全国のど自慢の決勝大会に出場するのだった。