絢爛たる殺人(1951)
劇場公開日:1951年1月20日
解説
三浦信夫の製作で、「指名犯人」「蜘蛛の街」などの脚色者高岩肇が脚本を書き、「転落の詩集」の加戸敏が監督している。出演者の主なるものは、「孔雀の園」の宇佐美諄、「三つの結婚」の日高澄子、「君が心の妻」の喜多川千鶴、そのほか小柴幹治、近衛敏明、石黒達也、加東大介など。
1951年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1951年1月20日
ストーリー
某劇場の初日の夜、最前列で観劇していたプロデューサーの倉戸が銃殺された。急報によって川野警部がかけつけ捜査を開始した。拳銃は舞台から発射されたものだったが、その時ちょうど舞台では拳銃を発射する場面を演じていたのだったが、使用されたのは全部小道具の玩具のピストルであった。しかし事件後一座の踊子花村明子が行方不明になり容疑者と目された。その同じ夜、検問所で訊問中の巡査が射殺された事件があり、その口径が倉戸を射った拳銃と同じであることから、かねて手配中の拳銃密輸事件とこの事件が関連しているように思われた。川野警部の活躍は、花村明子の居所をつきとめることに成功した。明子は弁護士石塚雄三の妻でありながら、年齢のへだたりすぎる夫との夫婦生活のギャップをうめるため夫に内密で踊子となっていたので、事件におそれをなして劇場から姿を消していたことが判明した。石塚は、妻の行動が警察活動陣をさわがせたことを詫びて協力を申し出た。当夜倉戸と一緒に観劇していた令嬢川辺瑞枝をめぐって、一座の俳優高宮と山村、それに倉戸とが三つ巴になってはり合っていた事実があったが、道具係の成瀬が殺され、川辺警部が当夜の関係者全部を集めて訊問しようとしたとき高宮の姿が見えず、そのアパートには自殺を暗示する置き手紙があり、高宮が第二の容疑者と目された。しかしそれとなく捜査に協力していた石塚が、ふと拳銃の密輸団の首領が、劇場の歌手をしていた山村行彦であることをつきとめたことから、警察の活動が開始されて、密輸の本拠である倉庫に監禁された高宮は救われ、戦争中倉戸のため父を殺された山村が復讐のため倉戸を殺し、その事実を知っていた成瀬をも巻きぞえに殺したのであったことが明らかにされ、密輸団も壊滅した。そして瑞枝が愛していたのが高宮であったことも明らかになり、あやうく山村と死の道づれにされかけた彼女も間一髪のところで川野警部に救われたのであった。