彼女は答える

劇場公開日:

解説

「我輩は探偵でアル」の小倉浩一郎と杉山茂樹による協同製作で、藤沢桓夫の原作を「毒薔薇」の館岡謙之助が脚色し、「恋愛特急」の芦原正が監督に当る。キャメラは鹿島正雄が撮影に当る。主演者には「白鳥は悲しからずや」の水島道太郎、「女の一生(1949)」の岸旗江、「破戒(1948 木下恵介)」の山内明、「初夜ふたたび」の津島恵子の他に斎藤達雄、河村黎吉らが助演する。

1949年製作/87分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1949年9月6日

ストーリー

甲子園野球場では選抜中等野球の錦城中学校対××商業の熱戦が行われている。スタンドでは最近赴任してきたばかりの高須賀純吉と下宿先の中学一年の一郎が熱狂している。傍らの近代的な美しい娘さんは可笑しさを堪えながらながめていたが、ふとしたことから話をかける。二人とも錦城中のファンである。純吉は錦城中学の教師であることを知られて感想を聞かれ、錦城中学の封建的な古臭くさを難じ、その上三野校長ことガンヂー翁の悪口を言ってしまう。純吉は親友の病院勤務の内科医である坂井信雄と糸井一郎の家に下宿していたが二人とも明朗な誠実な性格の持主であった。坂井は家に帰えると貧しい家の人々の診察に余念がなかった。また純吉も前にアパート住いをしていた時のアパートの娘が父母に死なれ現在運送屋の堀野達蔵の世話になっている間雪枝が堀野が変なことをするというので、困っている彼女をいつでも遠慮なく純吉達の処へ来てもよいと単純に言ってやるのであった。しかし純吉は性格が性格だけに同じ学校教師の仲間の二三人から異端者扱いにされていた。一寸したことでも難クセをつけられた。純吉はある日担任の一生徒の件で問題が起きたのを、校長の退校処分を不満に思って校長宅を訪れた。するとあの日の野球場の娘さんに行き会った。何んのことはない、ガンジー翁の娘朝子さんであったが校長も純吉の誠実さを認めていた。校長自身紹介してくれた朝子さんは坂井と同じ病院に勤めているのであった。一方間雪枝は堀野の圧迫や後妻になってくれと迫まってくる毒牙から逃れて、純吉や坂井の処へせっかくなついた堀野の子供八重子ちゃんを後に残してやってきた。こうなるとそこには二つの恋が芽生えてきた。雪枝は純吉を親っているらしかったが純吉は彼女を妹の感情をもってつき合っているらしかった。坂井としては雪枝を愛して行った。純吉は朝子を対象として考えていた。しかし雪枝は次第に坂井の力と正義に引きつけられていた。こんな時に堀野がPTAの名をかりて、純吉達を落し入れようとしていたが、八重子が病気になって始めて自分の非を悟った、それは雪枝と坂井そして純吉と朝子達の専心的な看護の姿を吾が子にそそいでいるのを現実に感じたからであった。二組の結婚式もそう遠くはあるまい。

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