宵待草恋日記

劇場公開日:

解説

大正末期の画家竹久夢二の若き日の恋愛をモデルに描いた雑誌“ロマンス”連載、立野信之作の「宵待草歌日記」から「晩春」(小津安二郎)と協同の野田高梧が脚色し、「悲恋模様」に次いで原研吉がメガホンをとる。撮影森田俊保、音楽は万城目正、加藤光男、なお衣裳、メーク・アップなどの時代考証に特に中原淳一が当たっている。出演は「花も嵐も」の若原雅夫と「破れ太鼓」の桂木洋子を中心に「悲しき口笛」以来の津島恵子はじめ三井弘次、清水一郎、清水将夫、坪内美子、森川まさみ、水上令子などである。

1950年製作/86分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1950年1月29日

ストーリー

大正三年の頃、画家竹久夢二は三十一歳にして一児不二彦を抱えて妻と別居し、画道に精進していた。芸術的理解も全くなく虚栄に日を送る妻たまきとの愛なき生活を清算した彼にとっての慰みはその若き女弟子彦乃の愛だけだった。二人の愛情は師弟の垣を越えて日に強くなり幸福な生活へ進む決意を互いに固めて行くのだったが嫉妬するたまきによって親に中傷された彦乃はその後夢二と会うことを禁じられてしまった。“待てど暮らせど来ぬひとを宵待草のやるせなさ今宵は月も出ぬそうな”恋情に耐えかねて夢二は東京を離れて後援者鐘尾博士の許、京都へと旅立った。京の地で必ず再会することを約して。彦乃の親友夏枝の好意に慰められつつ不二彦と彦乃を待つ夢二には鐘尾夫人千加子の義理に絡んだ邪恋がつき纏っていた。--夏枝に会うことを理由に家を出た彦乃は一路京都に向かった。久し振りの再会に二人は山中温泉に楽しい日々を送って夢二は画に情熱を尽くした。しかし二人の幸福はまたも長くは続かなかった。ふとした風邪がもとで病の床に倒れた彦乃の宿に訪れたのは父親だった。鐘尾夫人の密告で駆けつけた父親は彦乃を連れ去った。再び孤独の中に発表した個展の成功も空しい夢二の所に来た報せは「ヒコノキトク」であった。幾山河を踏み越え親にも許されて獲ら得た愛情も泡と消え、一冊の日記を残して彦乃が死んで間もなく、夢二は一人悄然とアメリカへ旅立って行ったのである。

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