劇場公開日 1949年7月19日

「やっぱりオリジナル!」青い山脈(1949) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0やっぱりオリジナル!

2018年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

ようやく今井正版を見ることができた。女優陣が皆綺麗で色っぽい。

 戦争直後だと感じられる台詞がいっぱい。民主主義が何たるかもわかってない時代だけに、戦争がもたらした開放感さえ感じられるのだ。島崎(原)が俗物的な町医者沼田(龍崎一郎))の発言に対して平手打ちをするところ、新子や下級生の和子(若山セツ子)の男に対する心理というのも手に取るようにわかる内容。芸者の駒子だって艶めかしくてたまらない。理事長もしてる町の実力者に弄ばれて妊娠だなんて、かなりシリアスなのだ。

 続編があるけど、この映画そのものでは完結してないので、前後編のような扱い。理事会の前に対決姿勢をとる両者の作戦会議が対照的で、沼田が夜道で襲われるところでプツリと終わっている。
 余分と思える箇所も全て伏線となっているくらい丁寧な作り。どうしてリメイクがダメなのか、このオリジナルを見てよくわかった。

kossy