劇場公開日 1948年4月13日

花ひらく(1948)のレビュー・感想・評価

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2.0市川崑監督の第1回監督作品。

2018年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 米子はアトリエを借りているのだが、隣が“きちがい病院”であり、終始奇声が聴こえるのでお化け屋敷の雰囲気さえある。上原謙が登場してきたときはホラー映画なんじゃないかと思ったくらいだ。そして彼は学生運動で捕まり保釈中の身。

 24歳になった眞知子は父親も亡くなっていて、母親(吉川)は体面を気にするため、眞知子になんとか結婚してもらいたい。ピアノの演奏会に連れて行き、お見合いのセッティングをしたりする。さらに姉夫婦がスキーに連れて行き、河井と合わせようともするのだ。猛吹雪の中、一晩を山小屋で過ごすが、紳士的な態度で「眠っちゃだめですよ」などと凍死を心配したりする。

 関のことが忘れられない眞知子。2人はアトリエで会い、結婚の約束をする・・・が、次の日米子が訪れ、妊娠していることを告げ、ショックを受ける眞知子であった。

 眞知子さん。関を諦め、結婚の約束を破棄するが、河井のもとに飛び込むのかと思わばそうでもない。河井はストライキのために私有財産を一切投げ出して対処したため、破産ではないけど、金持ちではなくなった。そんな新聞記事を読んだあと、彼に電話をするが、無言電話。おいおい・・・そして眞知子は傷心の旅に出るのであった。終。

 雪山のシーンが印象に残る。吹雪いているシーンはフィルムを重ねてあるが、小雪となって霧のようになってるのはもしや模型か?こうした特撮も使うし、上原謙を悪魔のように描くこととか、すでにホラーの下地を作っていたのだな。基本はメロドラマだけど、左翼運動を批判的に描いているような気もする。

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kossy