新婚リーグ戦
劇場公開日:1947年9月2日
解説
第一回監督作品「お光の縁談」の途中で病に倒れた池田忠雄の第二回監督作品。脚本は池田忠雄と共に「象を喰つた連中」をものした斎藤良輔が中野実の原作を脚色しキャメラは「許された一夜」「長屋紳士録」の厚田雄春が当る。「最後の鉄腕」「情炎(1947)」の佐野周二、「霧の夜ばなし」「今日は踊って」の山根寿子(新東宝)、「許された一夜」「四つの恋の物語(1947)」の木暮実千代らの出演に加えて暫くスクリーンから遠去かっていた坪内美子のカムバック出演である。
1947年製作/69分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1947年9月2日
ストーリー
「どうするんだい今夜は」「……」「野宿かい」「こうどこの旅館も満員じゃ仕方がないでしょう」これは真弓と靖夫の新婚旅行第一夜の事、インフレの一つの世相らしい。また「出張結婚」とは彼等の新語である。つまり、結婚はしたけれど共に住む家がなく、二人別々に下宿生活をしていたが、真弓の親友高子が毎土曜家を空けると言うのでそこを借りて「出張結婚」という訳、一週の中一日だけが愛情の自由預金であとは封鎖という形。二人は世相に負けず種々明い生活形態を創造していったが、職が悪い。真弓はある雑誌社に未婚者の条件で勤めており、靖夫はその競争相手の雑誌社「読物界」の編集長、随って二人の結婚は極秘である。仕事と私生活、その間には明瞭なラインを約束したが、たまたま女房に先手を越されて靖夫はたじたじだが読物界の女社長妙子はビジネスセカンドで靖夫に夢中、妻の事を打明ける事の出来ない靖夫の上に赤信号が点滅する。あたかもその頃、高子が嫁いだためにその家が空いた。二人は決然、愛情封鎖の枠を全面的に外し共に辞職届をしたためて本式の結婚生活に突入する決心をした。