愛の宣言

劇場公開日:

解説

「麗人」に次ぐ渡辺邦男作品。

1946年製作/82分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1946年12月31日

ストーリー

終戦で徴用を解除された菊代、弓子、ハツの三人は東京に帰る夜行列車の中で途中から乗り合わした復員の宮城、木原と知り合う。以前芸者をしていて大須賀という実業家の世話になっていた菊代は新しく立ち直ろうとして東京で職を探して歩くうち、宮城に再会して宮城のいる保険会社の外交員として働くようになる。弓子は菊代とアパートを同じくしていたが貧しい生活に倦きていつか大須賀の寵を受ける身となり豪奢な生活に入って行く。ハツは子供を連れて菊代を頼って来、菊代と同じ外交員で矢張り菊代のアパートにいる谷と結婚してささやかながら穏やかな幸福を掴む。菊代と宮城はいつしかお互いに好意以上のものを感じ合うようになり、結婚の約束をする。宮城の亡父との義理で宮城の後見をしていたのは大須賀で、大須賀は宮城の成長を吾子の如くたのしみにしている。大須賀は菊代を再び我がものにしようとして菊代の決意と宮城への強い愛情に負ける。宮城は大須賀と菊代の関係を知り誤解して牧場に在る戦友木原の許に走るが、木原は所信を貫けと宮城を激励する。菊代は大須賀から宮城を諦めてくれと言われて弱い気持ちになり宮城の去った後の木原の牧場を訪れる。紙屑同然に捨てた女が、自分の一番可愛がっている男と愛し合っていた事実を見せつけられて、恋愛は遊戯であり女は玩弄物に過ぎぬと考えていた大須賀の考えは無惨にもうち砕かれ、大須賀は弓子と別れる。木原から宮城の決心を聞いた菊代は将来にひらけて行く自分の幸福を思いながら岩手の牧場で明日にでもやって来るであろう宮城を待っている。

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