警視庁物語 自供のレビュー・感想・評価
全2件を表示
盛り上がりに欠けるストーリー展開なので、ラストのお涙頂戴シーンもの...
盛り上がりに欠けるストーリー展開なので、ラストのお涙頂戴シーンものめり込めない。
ところで、今回から捜査一課刑事に入った今井健二は、張り切りすぎて周りから浮いてるね。
切なくも愛しいラストが心に沁みる
東京ゼロメートル地帯の悪臭漂うドブ川から、行李(こうり)詰めの変死体が発見された。被害者が“私設馬券売り”と判り、競馬場、居酒屋、血液銀行へと聞き込み捜査が始まる。「警視庁物語 自供」は製作当時の昭和時代の情景が描写されています。
行李(こうり)は馴染みが無い方も多いでしょうね。竹や柳で編んだ箱形の物入れで、荷物を運搬するのに使いました。今日では衣類の保管などに使用しています。血液銀行での売血シーンが出てきます。血液銀行は、いろいろな血液型の保存血液を集めて貯蔵し、必要に応じて提供する施設。昭和39年に輸血用血液を献血でまかなうことが決定され、5年後の昭和44年に売血は終息しています。
その昔、東京に流れる川にゴミを捨てる人が多く、当映画でも問題提起しています。
川にゴミを捨てる女役で、谷本小代子さん登場。谷本さんは「警視庁物語 追跡七十三時間」で映画デビューし、警視庁物語には12回出演しています。食堂の女子店員(7話)、パン工場の工員(12話)、タバコ屋の女性(15話)、気のふれた女(19話)、川にゴミを捨てる女(23話)など、数秒映る脇役ながら、いつも熱の入った演技が楽しく、作品に欠かせない女優さん。
脚本は警視庁鑑識課に勤務していたした長谷川公之のオリジナル。監督の小西通雄は警視庁物語で「自供」「行方不明」の2本を演出し、水準以上の出来栄えです。後にテレビドラマの演出に主軸を移し「キイハンター」から「Gメン‘75」までの東映アクションドラマの監督を務めました。
メインゲストの本間千代子さんは、子役で特撮TV映画「ナショナルキッド」(昭和35年)に出演していたのを覚えています。青春映画「君たちがいて僕がいた」(昭和39年)などに主演したフレッシュな女優さん。
「警視庁物語 自供」は、戦時中のシーンが丁寧に描かれ、戦争がもたらした母(楠田薫)と娘(本間千代子)の、切なくも愛しいラストが心に沁みるお薦めの映画です。
全2件を表示