よさこい時雨

劇場公開日:

解説

「花の幡随院」の本山大生の脚本により「伴淳・アチャコのおやじ教育」の酒井欣也が監督したもので、ペギー葉山の主題歌にのせて描く股旅もの。撮影は「伝七捕物帖 幽霊飛脚」の片岡清が担当。

1959年製作/72分/日本
原題または英題:Song of Love Last
配給:松竹
劇場公開日:1959年10月11日

ストーリー

土佐一円を二分する親分浦戸屋嘉兵衛の家へ草鞋をぬいだ旅鴉時雨の新太郎が、一方の親分宇佐の伝蔵を斬って再び旅へ出た。新太郎が伝蔵を斬ったのは、嘉兵衛の代貸吉五郎の奸計によるもの、吉五郎は親分を殺し土佐一円の縄張りを手に入れようとしていた。伝蔵を斬った新太郎に嘉兵衛は激しい怒りを感じた。一人娘おたえとめあわせ、縄張りを譲ろうと考えていたからだ。伝蔵の跡とり総六が新太郎の後を追った。その夜、吉五郎は旅人銀次を使って嘉兵衛を闇討ちにし、銀次をも河中へ斬りすてた。土佐一円の縄張を掌中にした吉五郎は、嫌がるおたえと結婚、親分相続の披露をしようと吉良の仁吉に働きかけた。そのころ新太郎は女イカサマ師お仲に惚れられ逃げ回るはめとなっていたが、一夜、宿で胴巻を盗まれた。盗んだのは九死に一生を得た銀次で、あっさりお仲に捕った。というのも、銀次はお仲の乾分だった。銀次から吉五郎の奸計と嘉兵衛の死を聞き新太郎は激怒した。そこへ躍り込んだのが総六の一行。銀次の証言と新太郎の必ず吉五郎を討つという言葉に一行は納得した。やがて吉五郎の跡目相続の日が来た。事情を知らぬ仁吉の仲人で、吉五郎と自害を覚悟のおたえが祝言の席についた。その場へ躍り込んだ新太郎、並いる親分衆に吉五郎の奸計を打明けた。真相を知った仁吉らの協力で新太郎は吉五郎を倒した。嬉し涙のおたえ。しかし新太郎は総六の前に坐り、親分の恨みを晴らしてくれと叫んだが、今は総六もすべてを許した。翌日、行く手の小高い丘にお仲が立っているとも知らず三たび草鞋をはく新太郎の姿があった。

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