バラ少女
劇場公開日:1959年5月5日
解説
宇野信夫の放送劇を映画化した青春もの。「いたづら」の内藤保彦が脚色し、新人第一回の池田博が監督した。撮影は「朝を呼ぶ口笛」の篠村荘三郎。
1959年製作/65分/日本
劇場公開日:1959年5月5日
ストーリー
昼下りの銀座通り、喫茶店“プリンセス”で三人の高校生弓子、道子、照子が焼芋を頬張って一杯のコーヒーを廻し飲みしていた。同じ頃、老作曲家の関光太郎は友人の新発田と会っていたが、実はそれが新発田の見合いの席と知って逃げ出した。弓子は“プリンセス”に来た関をつかまえ、自分を金持の令嬢と偽って、ロード・ショウを見せて貰い、夕食の御馳走にまでなった。関の書生日下部信一は弓子の嘘を見破ったが、明るく無邪気な弓子とすぐ仲良しになった。弓子は両親を失い、伯母の高子の世話になっていた。関は淋しい生活に花が咲いたような幸福を感じた。ところが、約束した日曜日、関は待ちぼうけをくわされた。そのはずで信一に誘われるままに、弓子は銀座のダンス喫茶に行っていた。しかも弓子は高校生の三郎につきまとわれ、信一は三郎と大乱闘を演じてしまった。翌朝警察から電話がかかり、弓子達が深夜喫茶の一斉取締りで補導されたという。弓子の伯母は怒って引き取りに来ず、弓子は関を父親だと云ったのである。関は喜んで弓子を引き取った。関と弓子の楽しい生活が始った。信一は再び三郎と乱闘したことで関から怒られ、家出してしまった。ある日曜日、信一、弓子それに友人一同は関のオンボロ車で箱根にドライブした。ところが雨の中でエンコして、堀立小屋で夜を明かすことになってしまった。翌朝怒った関は、帰って来た信一に弓子との絶交を命じた。弓子の卒業式の日、関家ではパーティが開かれた。関は、弓子に養子を迎える夢を抱いていた。しかし弓子は信一と結婚する約束をしていた。信一は自動車工場に就職が決った。関はショックをうけ、感情のもつれから弓子は家を出た。しかし関もやはり若い二人の幸福を考えて、快く弓子と信一の将来を祝福した。