脅迫の影
劇場公開日:1959年4月22日
解説
門雪男『劉は生きている』を「姿なき顔役」のコンビ阿部桂一が脚色、若杉光夫が監督したサスペンス・ドラマ。撮影は「傷痕の掟」の井上莞。
1959年製作/61分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年4月22日
ストーリー
真暗な工事現場で、劉は四人の男に材木でめった打ちに打たれて倒れた。四人はドル買いの下廻りをしていたが、商売に嫌気がさし、ボスを殺し大金を奪ったのだ。劉の鞄の中には百二十万の金があった。彼らはそれを四等分すると、思い思いの方向へ走った。--四人の一人・工藤は、疾走して来る自動車にはね飛ばされて死んだ。死んだというより殺されたといってもよかった。久平の身辺にも、不安なことが起っている。外へ出ると、尾けて来る人影があるのだ。さらに不思議なことには、あの夜の殺人事件がどの新聞にも出ていないのである。殺人現場に死体は消えていた。劉は生きているのだろうか?中村が列車にひかれて死んだ。陸橋から突き落されて。首領・仙田の死亡通知が届いた。久平は幸子と新しいアパートへ移った。が、留守に“劉は生きている”と書かれた紙片が短刀が突き刺されてあった。久平は劉がドルをしまっておくロッカーからドルを盗み出した。彼は他の三人が知らぬうちに死体からロッカーの鍵を盗み出していたのだ。久平と幸子は遠くへ逃げる相談をした。と、劉の代理だという女から電話がかかって来た。明後日の三時に金を渡さなければ殺すというのだ。三時に現われた男はアルバイトで頼まれた学生だった。久平は後をつけた。ビルの裏口に入った。そこに立っていた男、それは意外にも仙田だった。彼は死んだ劉が生きていて脅迫してるように見せかけ、金を一人占めにしようとしたのだ。二人を殺したのも彼だ。格闘の後、二人は捕えられた。