若旦那は三代目

劇場公開日:

解説

昇進第一回の中村積が監督した青春喜劇。脚本は「東洋の怪物 大怪獣バラン」の関沢新一。撮影は「恐喝(1958)」の遠藤精一。瀬木俊一・夏木陽介・佐藤允・野口ふみえ・水野久美の新人たちが出演。パースペクタ立体音響。

1958年製作/62分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年12月14日

ストーリー

三河幸吉--これが三河屋酒店の若旦那の名である。家族は頑固で北辰一刀流の達人、祖父の幸兵衛、父の幸助、母のお福、妹のきみ子の五人、若旦那は三代目というわけである。一家の大黒柱は勿ろん幸兵衛で誰も頭が上らない。だが、若い二人は祖父に頓着なく生活を楽しんでいる。妹のきみ子は、ある劇団の踊り子として毎日、舞台で踊りまくっているし幸吉は紀元大学の学生で、祖父には内証だがバイク・クラブのメンバーである。隣家の八百屋・八百善の娘・菜々と幸吉は互いに好き合っているが、いつも喧嘩ばかりしている。ある日曜日、幸吉がデパートの屋上で菜々を持っていると、小さな女の子が迷いこんできた。すぐ後から若い母親が子供を探して彼のところへやってきたが彼女は幸吉を知っていた。しかし幸吉は知らない。若い母親は雪江と言い、夫の健次と飲み屋・美よし乃を経営している。健次は元愚連隊員だが今は故郷へ帰って正しい生活に帰りたいと考えていた。やがて大学対抗東京・箱根間駅伝バイク・レースが迫ってきた。ところが、そのころ三河屋は幸兵衛の昔気質の商法で売上げは減るばかりという状態。幸兵衛は売掛金の回収を家族全員に命じた。幸吉の受持ちは美よし乃で、早速出かけたが店には愚連隊がたむろしていた。幸吉は得意の腕で忽ち彼らを投げ飛ばしたが、以来、愚連隊に睨まれるようになった。対抗レースの朝がきた。キャプテンの幸吉は最後の横浜・東京間を走ることになった。その出発直前、健次から電話がかかってきた。足を洗った彼に愚連隊がリンチを加えようというのだ。幸吉は番頭の助どん格どんを連れ美よし乃に駈けつけた。彼は計略を用い、愚連隊を表へ誘い出し雪江と健次を故郷に逃れさせた。しかし幸吉は引返した愚連隊に囲まれ苦境に立った。番頭の報せで幸兵衛は一切を知り菜々の運転するオート三輪で美よし乃に飛んだ。一方、オートレースは箱根を出発していた。幸吉の出番が迫っていた。彼は幸兵衛の応援で愚連隊を片づけるや、最後の中継所・横浜へ駈けつけた。紀元大学は第六位。リレーした幸吉は忽ち五人を抜いて奇蹟的な勝利を占めた。

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