劇場公開日 1958年8月19日

「知っても分からなければ知らぬと一緒」炎上 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0知っても分からなければ知らぬと一緒

2025年4月20日
iPhoneアプリから投稿

意地は強いが皮が弱い主人公を市川雷蔵が演じる。碇シンジか?ファザコンにマザコン、挙げ句に恩人にもコンプレックスをぶちまける。まるで仏の手の中に在る孫悟空のようでもある。周囲を蔑み、心の中にありもしない美しさを宿し、そこに縋る。
罪はしっかりと意識した上で、自らを含めて罪深い存在でしかないと悟る中村鴈治郎の大きな。柔和な娘玉緒。悪友仲代も切れた演技を見せる。
タイトルが実に良い。モノクロに寺の図面とフォントのみ、念仏のような黛敏郎音楽が舞台へと誘う。全編通じて音楽は斬新で現代的でもある。

Kj