デン助の陽気な靴みがき
劇場公開日:1958年6月3日
解説
中沢信の原作・脚本を、「母つばめ」の伊賀山正光が監督、「乱撃の七番街」の福島宏が撮影した人情喜劇。主演は映画初出演の木村デン助こと大宮敏光、「少女と風船」の松島トモ子、「魚河岸の石松」の佐久間良子、それに波島進、その他、杉狂児、岸井明、浜田百合子など。
1958年製作/54分/日本
原題または英題:Merry Shoeshine
劇場公開日:1958年6月3日
ストーリー
ここは浅草の一角。遠く高架を走る国電の響きとともに、デン助のオンボロ長屋にも朝がやって来た。デン助はチビと一緒に早朝から靴みがきに出かける。デン助は三年前、ガード下で泣いていたチビを拾ったのだ。デン助の心配しているのは、同じ長屋に住む、病気の母をかかえた花売娘小夜子のことだった。その小夜子に、附近の顔利きジョージはかつてない愛情を抱いた。彼は、金庫破りの容疑者として警察から追われる身であった。一日、デン助をはじめ長屋の人たちは、貧しいながらも楽しいハイキングに出かけた。が、その留守の間に小夜子の母は急に病状が悪化、息をひきとった。悲嘆の涙にくれる小夜子を、デン助はやさしくなぐさめ、自分の長屋にひきとった。一方、ジョージは金庫破りの容疑を自分に着せたチンピラどもを追い白状させようとするが、怒りにまかせて傷つけてしまった。しかし、デン助のさとしに従って自首する決心をしたジョージは、警官の口から金庫破りの容疑は晴れ、傷害罪も微細なものであることを知らされた。彼は慕う小夜子やデン助を後に、明るい表情で刑事に引かれていった。バラック界隈にまた朝が来た。小夜子もジョージと無事世帯を持つことになり、今日も靴みがきの道具を抱えたチビとデン助の姿が、都会の雑踏へと消えていった。