「まるで洋画を観ているような世界観で撮られていて、それが破綻してないんです」嵐を呼ぶ男(1957) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
まるで洋画を観ているような世界観で撮られていて、それが破綻してないんです
こりゃ、スゴイ!驚いた!
この当時でこのクォリティー!
単に♪おいらはドラマ~だけの映画じゃありません
冒頭のロカビリーのステージは平尾昌晃です
カッコイいたらありゃしない
バンドもイカしてる
お目当てのドラム合戦は中盤にあるのですが、その裕次郎の主題歌シーンよりも、ダンサーのお姉さん方の衣装とその美術セットに目が釘付けです
MGM のミュージカル映画好きなら、一目で分かるはず
1936年公開の巨星ジークフェルドのあの超有名な巨大デコレーションケーキのシーンの超ミニミニ版です
ニヤリとして、嬉しくなってしまいます
クライマックスの大人数でのフルオーケストラシーンも素晴らしい!
これ1955年のヒッチコックの映画「知りすぎていた男」のオマージュです
これも一目で分かります
あれほどドラマチックな曲ではないですが、結構長い演奏シーンで、なかなかのオーケストレーションです
銀座のクラブ、バー、ミワの屋敷の内装
1周どころか、5周ぐらい回って21世紀の現代でも全く古臭くないのです、却って素敵なんです
衣装も垢抜けています
会話も小粋
まるで洋画を観ているような世界観で撮られていて、それが破綻してないんです
裕次郎の母親役が和服を着ていたりしてでもです
まだ少年のような面影が残っていて、正に裕次郎の魅力が爆発しています
若い女優陣もみんな現代的で自由です
空気がカラッとして明るいんです
全く1957年昭和32年の作品とは到底思えないレベルです
照明と撮影もいい仕事していて見やすいいい絵が撮れています
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